これ、Wikipediaやblogの記事ぐらいだと悪くない方法だと思うのだけど、一冊の本をこれで読もうとすると、むしろ途中で挫折する公算が高いと感じたので。

訳すな、頭から読め - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wake
訳さないで頭から読む、英語に限らずあらゆる語学はこの方法で読むのが一番よいと信じる。効能は三つ。1.読むのが早くなる 2.(発音さえ聞き取れれば)耳で聞いてすぐに分かる 3.自分が話したり書いたりするのが楽になる。

というわけで、英語の本をまるまる一冊読破するにはどうしたらよいかという方法。

やり方は、三ステップ。

  1. まず、お気に入りの訳本を見つける。
  2. それをストーリーがそらで言えるぐらい読み込む
  3. そうしてから、原著を読み始める。

1. まず、お気に入りの訳本を見つける。

分野は問わないが、「短文の集合」であるビジネス本より、物語の方が読了感が高い。以下、物語を読むということを前提に話を進める。

2. それをストーリーがそらで言えるぐらい読み込む

読み込むといっても、丸暗記まではする必要がない。しかし次のパラグラフに何が待っているか、「先読み」出来る程度には読んでおく。だいたい三回も読めばそうなるだろう。

3. そうしてから、原著を読み始める。

こうして物語をあらかじめ知っておいてから読み始めれば、面白いほど速く読めるはずである。ただし、ここで調子にのって速く読み進めているつもりが単にページを速くめくっているだけにならないようにすること。パラグラフは飛ばさないこと。「あの台詞は英語ではこうだったんだ」というのを見つけながら読み進めること。

それを繰り返して、一対の訳本と原著を読了するのが苦でなくなったら、未読の原著に挑戦してみるといい。ここまでくれば原著コンプレックスはほとんどなくなっているはずだ。

実は、これは私がとってきた方法ではない。私はもっと非効率的な方法を取ってきて、おかげで最近になるまでこの方法を見つけることが出来なかった。すなわち、「いきなり原著」である。

私が通読したはじめての物語は、Dune だった。ユダヤ人の友人に「これ嫁」と言われて読んだのだが、今考えるとそれはスティルスーツもなしに砂虫の前に放り出されるようなものだった。10日ぐらいかけて読了し、読了してもわからん単語だらけで(当然だ!SFなのだし造語は当たり前なのだ)、よくもまあ砂虫に飲み込まれずにすんだものだと思う。

まあそれで死なずにすんだので、原著でSciFiを読むことが面白くてたまらなくなったし、別の本であまりにひどい邦訳を見て「なんだこれ、原著の方が全然わかりやすいじゃないか」とばかりに原著主義者となった私であるが、近年になって原著の入手が待てず邦訳を注文してから原著を読むという体験を何度か繰り返した後、あれほど原著に慣れていたはずの私でさえ、やむえず採った上記の方法がいかに楽かを思い知らされたのだ。

あの頃の私に言ってあげたい。「矢野徹訳を先に読んでおけ」、と。

そしてよくよく思い出してみれば、私は上記の方法を映画に対してはとっていたのだ。字幕なので邦訳と原文は同時だが、好きな映画を繰り替えし見ているうちに、台詞を覚えてしまったのだ。"Blade Runner"なんか、未だに台詞を思い出せる。そしてそのうち字幕がうざくなり、そして今では字幕と原文のギャップを楽しんですらいる。

私の英語力に最も貢献しているのが映画であることを考えると、それを読書で応用しなかったことがいささか残念だ。本でも使えることがわかっていたらもっと早く読めるようになっていたかもしれないのに。

この方法の明らかな欠点は、この方法を卒業するまでは未訳の作品が読めないことである。しかし、勝間さん曰く、「翻訳されているという事実そのものが良作フィルターとなっている。翻訳されている作品の方がずっとスカ率が低い」。言われてみればそれもそうである。

というわけで、私も以前ほどには原著にこだわらないことにしたのであった。

Dan the Bibliomania