AMNの新年会にて、[Y]YANOSHIN's Mind Garageのやのしんさん経由で著者より献本御礼。

これはすごい。

本書に出てくるマトリクスは、企業分析ツールとして最強なのではないか。

本書「デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座」のキモは、オビにも出てくるこのマトリクス。Amazonの書影にこれがないのはほんともったいない。

これが、目次を兼ねている。本書では、このマトリクスを元に、そこに掲げられた個々の企業を分析するのだが、このマトリクスほど企業分析において疎にして漏らさぬものもないだろう。

このマトリクスもそうなのだが、著者は図版の使い方が実に上手だ。本書は元々四十六版を念頭において執筆されたのが明らかなのだが、これらの図版を活かすためにA5版に拡大してある。これが大正解で、もし四十六版のままだったら、ずいぶんと窮屈な一冊となったであろう。

このマトリクスの何が素晴らしいかというと、「何を知るべきか」を教えてくれること。実のところ、デューデリジェンスというのは財務諸表など、書面化されたものを精査するというのは氷山の一角で、その数値が何に由来するかは、業界という外部環境と業務という内部環境がわからなければ何とも言えない。MBAも公認会計士資格も、その点においてはあまり役に立たない。

が、このマトリクスに基づいて質問を落とし込んで行けば、実際に業界と業務を知る人にどういう質問をすればよいかがわかる。こういうのも何だが、デューデリジェンスというのはいかに業界と業務を知らずして、正しい結論を導きだすかという作業でもある。そこでものを言うのは、知っていることではなく、正しい質問を繰り返していくことである。それにあたって本書の提案するマトリクスほど的確なものを見たことがない。

このマトリクスは、デューデリジェンス以外でももちろん役立つ。銘柄の選定、自社やライバルのSWOT分析....およそ企業分析が必要な場面で、使えぬ場面はないだろう。適用可能な範囲と鋭さにおいて、これほどのマトリクスは久しぶりに見た。これを見ずして企業を見た気になるなかれ。

Dan the Yet Another Analyst