斎藤マスターの懸念どおり。

Espresso Diary@信州松本:リニアを曲げようとする信州のエライ人たち。 - livedoor Blog（ブログ）
リニアの駅は、ひとつの県にひとつだけ。JR東海の方針どおりなら、飯田あたりに駅ができるのが妥当です。しかし直らないのが、地方のエライひとたちの高度成長ボケ。リニアが時間への投資だということが理解できない。路線を曲げようとする運動には松本の市長も参加していますが、このままだと地元の身勝手な思いあがりと受けとめられ、信州のイメージを損なうことになるかも。

けれども、知事よりも地元の人の方がさめているかも。

実は諏訪というのは私の実家があったこともあって半地元、という感じなので、ある程度どんなかはわかる。県庁の中の人ほど大騒ぎしていないのは確か。長野(行)新幹線に対しても、「うらやましい」なんて声はほとんど聞こえてこなかった。

東京まではすでに充分近い

まず、すでにして東京までそれほど遠くないということがある。あずさなら新宿駅まで二時間ちょっと。高速バスでも三時間。これに対し「あさま」が在来線だった頃は、長野 - 上野が2時間50分。

だいたい三時間かかるかどうかというのが、新幹線にするか他を当たるかの境目のようで、東海道-山陽新幹線でも、広島あたりが新幹線と飛行機の比率が逆転する分水嶺になっている。

Bルートでも駅は一つ

で、長野県にとってはめでたくBルートが選択されたとして、駅はどこにおくんだろ?諏訪?茅野?さすがに松本はとおすぎる。そして諏訪湖のまわりの市町村というのは仲がいいとは言いがたく、市町村合併も何度も何度もお流れになっている。リニア新幹線の駅をどこに作るかという話はリニア新幹線全体をどのルートにするかよりもずっと揉めることになるのは確実。

本当は甲府だってすっとばしたい

実際JRは、リニア中央新幹線を「スーパーのぞみ」として活用する所存。(東京|品川)-名古屋間は駅がないのが理想だけど、そうは行かないから「一県一駅」と言っている。いや、現行コースでも、岐阜県内には駅を作るのに適当なところが見つからない。

ふたを開けてみれば、名古屋までに出来る途中駅は、甲府と飯田の二つぐらいになる公算が強い。ところが、飯田というのは長野県の他の場所からはずいぶんとアクセスの悪い場所と来ている。飯田線は単線の上、特急が一日二本しか走っていない。

それを考えたら、むしろ甲府を「ハブ」として、リニア新幹線が来ない分そこへのアクセスを向上することを考えた方がいいのではないか。

甲府-東京(ないし品川)は、リニアだと15分。現在の中央線と違って、新たに大深度地下を通すそうなので、都心での徐行運転がほとんど生じないからこうなる。で、甲府-松本は現在でも1時間15分。リニア新幹線が甲府駅に停車するとしたら、乗り換えも合わせて1時間35分。東京-名古屋とさほど変わらない。上諏訪-甲府が49分なので、乗り換えも含めて70分。東京-長野より時間的に近い。

しかし、「新甲府」駅を作られたらこうは行かなくなってしまう。実際Cルートを採用した場合、駅は現甲府駅より南側に作った方がよさそうだ。そうなると諏訪湖以南の長野県民には、(飯田を除けば)いいところなしだ。

そうやって考えれば、むしろ「北寄せ」は甲府駅までにとどめ、リニア新幹線そのものを諦める代わりに中央線をもう少し高速化してもらった方がよいのではないか。

あずさ (列車) - Wikipedia
かつての183系「あずさ」でさえ、最高速度120km/hで走行可能な領域も塩嶺トンネルなど全区間の5%程度に過ぎず、現行の主力であるE257系も低重心化が図られたとはいえ、非振子のため曲線通過速度は183系の基準に合わせられている。従って、E257系の営業最高速度である130km/h運転による効果がほとんど現れていない現状である。

松本-甲府間が1時間を切れば、松本-東京は長野-東京よりも近くなる。これならリニアが来ない地域の住民の溜飲も充分下がるのではないか。

Dan the Passenger-to-Be