二児の父として、このことは知っているつもりだった。
関連entriesも少なくない。
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なのに、いかに知らなかったかを改めて思い知らされた。
かつて親だった人も、すでに親になった人も、これから親になる人も、必読。
難しい本ではないので、高校生以上の未成年も、読んでおくべき。
本書「子どもの貧困」は、日本の子どもの貧困がいかにひどいかを、情ではなく理で説いた渾身の一冊。
はじめに iv「子どもの貧困」は決して、ごく一部の特殊なケースに限られた現象ではなく、すべての人の身近にある問題である……。本書の目的は、日本の子どもの貧困について、できるだけ客観的なデータを読者に提供することである。データは、政治を動かす上でパワフルなツールである。これらのデータを精査しながら、「日本の子どもについて、社会が許すべきでない生活水準=子どもの貧困」が何であるかを、読者とともに考えていきたい。目次 - 岩波新書 子どもの貧困より
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データは、私を動かす上でパワフルなツールである。最も動かされたのが、第三章の3である。
PP. 95-96図3-4は、先進国における子どもの貧困率を「市場所得」(就労や、金融資産によって得られる所得)と、それから税金と社会保険料を引き、児童手当や年金などの社会保障給付を足した「可処分所得」でみたものである。税制度や社会保障制度を、政府による「所得再分配」と言うので、これらを「再分配前所得/再分配後所得」とすると、よりわかりやすくなるかも知れない。
これをみると、十八カ国中、日本は唯一、再分配後所得の貧困率のほうが、再分配前所得の貧困率より高いことがわかる。つまり、社会保障制度や税制度によって、日本の子どもの貧困率は悪化しているのだ!
な、なんだってー!?
あまりのことに、この図3-4が本当か検索してみたところ、以下のグラフを見つけた。
Economic Survey of Japan 2006: Income inequality, poverty and social spending....まじである。他国との比較がない代わり、経年変化も載っている。日本はこれまでずっと、政府が子どもから奪ってきたのだ。
404 Blog Not Found:貧乏な社会で子を産むなはっきり言って、この国は子供の面倒はあまり見ない。これがまだ欧州諸国との比較だけなら、高福祉の代償として高税率があるのだから当然という言い方も出来ようが、一人っ子政策を導入した、いわば建前上は日本より遥かに子供に対して厳しく、社会資本も貧弱ならば親の収入も低い中国と比較してすらそうなのだ。
「面倒をあまり見ない」とは、我ながらずいぶんと甘い認識だった。面倒を見ているのは、国ではなく子どもだったとは。
さらにすごいのが、ひとり親世帯の子どもの貧困率。五割を超え、六割に届く勢いで、OECD加盟国の中ではトルコに続きどうどうの二位である。親が遊んでいるわけでは全くない。就労率は八割を超えており、これはデンマークより高い。「女性の就労率が低い」というのは、母子家庭においては全く事実ではない。この国でシングルペアレントであるというのは、どうやらワーキングプアへの最短距離のようなのだ。
本書には、他に血の滲むようなデータがこれでもかこれでもかと出てくる。正直、ページをめくるのがこれほど鬱になる書物というのは滅多にない。しかし、なぜこうなってしまったかといえば、私が、そしてあなたがそのことから目をそらしてきたからなのだ。
まずは、知って欲しい。
我々自身の、子どもに対する罪の重さを。
Dan the Father of Two
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