メディアファクトリー羽賀様より献本御礼。
初出2009.04.18/「日本人の知らない日本語2」刊行に伴い更新
wwwピカイチの面白さwww ←って言うとマダム・マリーと一緒に直されちゃうのだろうか。
と同時にあまりに自分の境遇にちかくてびっくり。
本作「日本人の知らない日本語」は、日本語教員の著者が、外国人に日本語を教える姿を通して日本語を学(ぶ|びなおす)という一冊。その面白さは、Webでも確認することが出来る。
その中にも出てくる助数詞だが、日本人にも結構難しい上に、生徒たちの質問が鋭くて先生たじたじである。というわけで助太刀いたすと、キングギドラは「三頭」かつ「一体」が正しい。便器は「一据」ではなく「一穴」が正しい(これで頭に肉がついても大丈夫)。あと、ブラジャーだが、「外すもの」ということで私は「一脱」と数えている。
....そこのあなた、マに受けないようにwww
余談だが、私の手元にとどいたのは第三版。
まめじゃない日本語教師がまじめに日本語を考える 速報!ご、誤字がありました・・・。「助数詞のテスト」とすべきところが「助動詞のテスト」 になっております・・・。
すっかりなおっていることをお報告します、もとい、ご伝えします。
一通り笑った後、強く感じたのは、自分もまた凪子とその生徒たちと同じ境遇にいるということ。
教師としては、二児の父ということがある。子育ての楽しみの一つは、大人には絶対思いつかない日本語表現に毎日であえること。特に小学校に上がる前というのは本当に楽しく、あまりに楽しいので我が家ではそれが正しい日本語として流通してしまうこともしばしば。たとえば世間でハンカチと言われている物体は「ドコ」と言う。長女にとってそれは今なおライナスの毛布なのだが、そのわりにしょっちゅうなくすので「どこはどこ」が頻発し、自然にあれは「どこ」と呼ばれることになった。
あまりに面白いので、みっちゃんのママばりの英才教育を施そうと企てたのだが、こちらはうまく行かなかった。すぐに疑って自分で調べてしまうようになったので。百汁の王ぐらい、きちんと書き取りできるようになってほしいものである。
そして生徒として。正直私には、生徒たちの「日本語感」の方が「正しい」日本語感よりしっくりくるのだ。私が教官なら、趙くんの「春の光」を見たら即合格させちゃうだろうし、「当たってくじけろ」は今でもときどき間違えるし、実はカタカナは五十音全部書けないし(なぜか「ミ」をよく忘れる。わしゃ壊れたクラリネットか)....とんぼにたんぼが飛んでるのが秋だし、うさぎがおいしくてコブラがつれるのがふるさとだし、「ベクトル」と「ヴェクター」の違いがわかんないし....これって
?
それにしても、日本語というのは文法が簡単なのに、それにも増して正しい表現が難しい。マダム・マリーの任侠日本語は、テキストだけ見たらあのよろし。コンテキストがあっていないだけで。文脈感受性がすごく高いのだ。
それが際立つのが、謙譲語と尊敬語。日本人にとっても難しく、今や「過剰尊敬語」や「謙譲尊敬語」が当たり前に使われるようになった。以下の問題に脊髄反射で「正しく」答えられる人はたこほど、いやいかほどいらっしゃるのだろう。
次の敬語表現の( )部の誤りを正しくしなさい。
- 開封後は早めにお召し上がり下さい
- ご注文は何にいたしますか
- ご注文の品はおそろいになりましたでしょうか
日本語は、外国人でも一年あれば覚えられるほど簡単で、そのくせ首相でも正しく使えないほど難しい。日本にいては日本のよさになかなか気がつかないように、日本語を「内輪だけで」使っていてもそのことはなかなかわからない。次回作もすでに予約済みとか。次おめもじかなう日を楽しみにしております。先生もお疲れの出ませんように。
Dan the Nullingual
追記2010.02.18 その次回作が到着。ネタの供給が常にあるって強いなあ。今回も大爆笑&自分の畳化不足にちょっと反省。未だにタクシーのドア自分で空けようとしちゃうし…


今、日本は静かな内戦状態なのに、何も触れないとは片腹痛し。
もう少し、子供達の未来作りのための本を読まれてはいかがですか?