その通り。
Life is beautiful: 外国為替相場取引(FX)で確実にもうける方法(必勝法)その結果分かったのは、為替相場にあまり詳しくない一般人にすべてのリスクを追わせて、自分たちだけは手数料で荒稼ぎしている業者が横行しているということ。
その名を、銀行という。
FXに限らず、外為がからんだ金融商品の場合、相対通貨の売買金額の差が手数料となる。FXで言うところのスプレッド(spread)であるが、これが外貨預金とFXではべらぼうに違う。
以下は、三大メガバンクの外貨預金の紹介ページから。いずれもページの下の方に、商品紹介そのものよりずっと小さく書いてある。
外貨預金:三菱東京UFJ銀行円貨を外貨にする際(預入時)および外貨を円貨にする際(引出時)は手数料がかかります。預入・引出時には手数料分を含んだ為替レートである当行所定のTTSレート・TTBレートをそれぞれ適用します。為替相場に変動がない場合でも、往復の為替手数料がかかるため引出円貨額が預入円貨額を下回る(円貨ベースで元本割れとなる)場合があります(たとえば1米ドルあたり2円、1ユーロあたり3円、1英ポンドあたり8円、1オーストラリアドルあたり4円、1ニュージーランドドルあたり4円、1スイスフランあたり1円80銭、その他通貨は1通貨あたり最大16円の差があります)。外貨預金 : 三井住友銀行
TTSレート(円貨から外貨に替えるレート)とTTBレート(外貨から円貨に替えるレート)には差(米ドルであれば1米ドルあたり2円)がありますので、外国為替相場に変動がない場合でも、払戻し時の円貨額がお預け入れ時の円貨額を下回り、「元本割れ」が生じるリスクがあります。みずほ銀行:みずほ外貨定期預金
したがって、為替相場の変動がない場合でも、往復(預入時・引出時)の為替手数料(1米ドルあたり2円、1ユーロあたり3円、1英ポンドあたり8円、1スイスフランあたり1円80銭、1豪ドルあたり5円、1ニュージーランドドルあたり5円10銭)がかかるため、お受け取りの外貨の円換算額が当初外貨定期預金作成時の払い込み円貨額を下回る(円ベースで元本割れとなる)リスクがあります。
最もスプレッドが小さいUSDでも、往復2円。これは1USD = 100JPYとして、2%ものマイナス金利があることに相当する。今はそれより円高なので、手数料によるマイナス金利効果はさらに大きい。
FXでは、どうか。FX会社スプレッドランキングによると、最安では1銭。高いところでも10銭程度で、外貨預金の1/10から1/100というのが相場である。
もちろん、低価格なのにはわけがある。業者としては、スプレッドが低くても客になるべく売買を頻繁に行ってもらえばいいし、スプレッドが証拠金ではなくレバレッジをかけた元本に対してかかる。手数料が1/100でも、レバレッジ10倍、取引回数10倍であれば、同額の外貨預金と同じぐらい儲かることになるし、実際FXの取引パターンはそうなりがちだ。
しかし、何もこちらが業者の思惑にそのまま乗る必要はない。レバレッジを低く設定し、LCをきちんと設定すれば、手数料の安い外貨預金として(税制を除けば)立派に機能する。
以上により、「本当に外国為替相場取引(FX)で確実にもうける方法」は、確実に存在することになる。ただし「確実にもうける」の定義は、「外貨預金と比較して」ということになる。同一の運用ポリシーで外貨預金の代わりにFXを使うだけである。これだけで手数料分得をするのだから。
FXのスプレッドの低さは、業者間の競争も大きく貢献しているように見える。そして口座開設以外の手続きを事実上全てコンピューターにやらせ、広告もインターネットに限ることで、コストを格段に下げている。
たとえば、外貨預金が良い例だ。ゼロ金利で資金の運用先に困っている主婦に、
「10パーセントの金利が付くニュージーランド国債を買いませんか」
と持ちかけるのだ。
なんて話は、FXではまずありえない。言葉巧みに主婦を勧誘する人間を雇っているコストなんぞないのだから。実際私のところには、これまで何百という投資勧誘の電話がかかってきた。株から債券から商品先物から、よくもまあこれだけネタがありますねという感じだが、FXだけはない。当然といえば当然だ。外貨預金なら、ある。ランドにルーブルにレアルにドン....
FXに関しては思うところは、以前
に書いたのでここで繰り返さないが、どこをどう見ても外貨預金よりも「健全」である。何が健全かというと、業者どおしの競争があり、強引な勧誘がなく、仕組みがシンプルであり、そしてITによってかつては金持ちしか許されていなかった投資スタイルを可能にしたことである。
satoshiさんの言うことは、一般論としては間違っていない。しかし金融商品に必要なのは、一般論ではなくディテールであり、にもかかわらず外貨預金と外債とFXをクソミソに書くのは、釣りのタイトル以上にひどいのではないか。少なくとも、同記事の読後感は、「やっぱり大切なお金は、大きくて信用できる業者におまかせ」というものであり、大手のヨイショにしか見えなかった。その大手が出した、何千億、何兆という損失はプロだからこそ出た損失であり、「素人は玄人のカモ」という一般論を吹き飛ばすに足りるブラック・スワンではなかったか。
Dan the Investor
レバレッジに拘わらずスプレッドが同じであれば、外貨預金よりもレバレッジ10倍のFXのスプレッドは実質10分の1ですから。
FXの場合、およそ10〜20倍以上のレバレッジであれば、スプレッドは誤差ですよ。確かに、スプレッドが小さい通貨ペアのほうが取り組みやすいのは確かですが、だいたいに於いて、ボラティリティの高い通貨ペアほどスプレッドは大きく設定されていますから、公平と言えば公平なんです。
まぁ、雀荘の場代みたいなもんですね。レートの高いテーブルほど1局あたりの場代が高いという。
ただし、同じ通貨ペアであっても、FX業者によって、スプレッドが随分違うのは、やや納得がいかないところですが。例えば、ユーロ・ドルの場合、A社は2pipisなのに、B社は5pipsといった具合です。ドル・円でも2pipsのところもあれば4pipsのところもあります。さすがにA社のランド・円やNZ・円のように8pipsにもなると、ベットする気はなくなりますが。
外貨預金なら、目安として、年金利よりスプレッドが大きければ、最初の絞り込みの段階でパスですね。
とは言え、今から外貨預金をやる、とくに一定期間解約できないものに入れるなんていうのは、愚の骨頂です。目の前に円高が迫っているんですから。