こちらもまたオライリー矢野様より定期便にて献本御礼。
素晴らしい。脱帽。
理論に関しても、実践に関しても、オープンソースに関してこれ以上書かれているものは現時点で存在しない。オープンソースという言葉から利益を得ている人は必読。
本書を買わなくてもいいから。
そう。本書は原著のみならず、訳文も全文が CreativeCommons Attribution-ShareAlike (3.0) で公開されているのだ。
本書「オープンソースソフトウェアの育て方」には、「オープンソースソフトウェアとはなにか」という「オープンソース論」も、「オープンソースソフトウェアをいかに始め、いかに育てるべきか」という「ハウツーオープンソース」も余すところなく載っている。それもそのはず、著者はCVSとSVNという、オープンソースを育てるのになくてはならない「哺乳瓶」を、それ自体オープンソースで育て上げた人なのだ。
目次 - オープンソースソフトウェアの育て方よりおかげで、目次もただの文字ではなくリンクとして掲載することができた。本書は私が読んだ中で「最も読むべき」本とも「最も面白い本」とも言い切るのは苦しいが、「最も文句のつけどころがない本」であることを認めざるを得ない。
脱帽。
見てのとおり、本書は買わなくても読むことができる。しかし本書はパンフレットではない。300ページを超える大著であり、具体的なソフトウェア名が列挙された技術書でもある。Webページだけで全文を読むのはかなり苦しい。この分量だと紙で読むのが最もありがたい。そして理念書でもあるので、必要なところだけ読むのではなく通読しておきたい。Webで挫折した人は、迷わず紙を手に入れるべきだろう。
その意味で、もう少しコンパクトな版型にして、もうちょっとだけ値段を抑えて欲しかった。A5ないし四六版で2,000円だったら完璧だったのだが。
それでも本書が出てしまった以上、そしてWebに公開されている以上、本書を読まずしてオープンソースを語るのは、約款を読まずして保険に契約するようなものになったと言ってよいだろう。今後、「読まなかった」は言い訳にできない。
というわけで、必読、必読、必読。紙でもWebでもいいから。
Dan the Open Source Programmer
書評になってないとの衆評ですが、お礼をさせてください。
当方、Creative Commons ライセンスとして 3DCG データをリリースした者です。パブリックβリリース1ヶ月で通算 20,000 ダウンロード以上されましたが、もはや風前の灯火。それもこれもわたし自身のソーシャル・スキルの欠如によるものと判然しました。あと1ヶ月、早く読めていたら、と思いますが、問題はそういくことではなく、わたし自身の不徳の致すところです。
ですが、おかげで意を決しました。
ですから再度、ありがとうございました。