その頭が春な人の中にこの御仁がいたことに呆れざるをえない。

総選挙の今 サマータイムをマニフェストに!?ビジネス-最新ニュース:IT-PLUS
海外旅行がこれだけ一般化した今、「サマータイム(夏時間)」と聞いてネガティブなイメージを持つ人はもはや少ないのではないだろうか。

海外旅行以上に一般化したものがあることを、ころっと忘れているらしい。

それは、時計が組み込まれた装置。

ケータイも、もちろんその中に含まれる。

サマータイムを導入に成功した各国では、まだ装置に時計が組み込まれることが一般化する前、そう、時計を手で補正するのが常識だった時代に導入している。しかし今や、時計というのはGPSなりNTPなりで自動補正する時代になっている。仮にサマータイムが導入されたとすると、これらの機器はすべて危機的な状況になる。

ソフトウェアでアップデートできる、パソコンやケータイといった「ファームウェア書き換え可能」な機器はまだいい。ファームウェア書き換え不能な機器は全滅である。地上デジタルテレビと同じだ。地デジではチューナーを税金使って配るそうだが、夏時間導入のために日本国政府は私の腕時計(電波時計)を買い取ってくれるのだろうか。

総選挙の今 サマータイムをマニフェストに!?ビジネス-最新ニュース:IT-PLUS
  • 1年に2回時計の針を合わせるのは大変であり、社会的混乱をきたす
これは習慣の問題であり、欧米を中心に約80カ国で実施されているのだから大きな社会的混乱にはならないだろう。

とんでもない。実施国では今でも混乱は収まっていない上、廃止論も強いのだ。

ドイツマスコミスキャン〜サマータイムなんかいらない(上)-JanJanニュース
  • 夏時間は維持すべきである……………30.6%
  • 夏時間は廃止すべきである……………66.0%
  • わからない(どっちでもいい)……… 3.3%

ドイツがサマータイムを導入したのは1980年。これはぎりぎりで「時計は手で合わせる」ものから「時計は時計自身が合わせる」ものになる時代になる前だ。それでも時計の合わせ方がわからない人が三割もいるというのだから深刻だ。

そして廃止に踏み切った国も日本だけではない。中国は1986年に導入して、1992年に廃止。韓国に至っては1987年に導入後、わずか一年で廃止。香港は中国返還前の1979年に廃止している。

404 Blog Not Found:夏時間だけでなくてタイムゾーンも
始業時間/終業時間をシフトすることで対応できる。そして、その考えを延長すれば、タイムゾーンも不要なことに気がつく。

我ながらタイムゾーンまで不要というのは暴論だとは思うが、同じ暴論でも21世紀の今サマータイムを導入するより、タイムゾーンそのものをなくす方がコストは遥かに少ないのは確かだ。少なくともGMTを得るAPIを持ったパソコンは全て「対応済み」とすら見なせる。

総選挙の今 サマータイムをマニフェストに!?ビジネス-最新ニュース:IT-PLUS
 なにしろ、朝4時半から太陽が出ていること自体がおかしいのだから。

おかしいのは夏野氏の頭だ。サマータイム導入済みの北欧には白夜というものがあるのだが。

サマータイムが確約している約束は、時計ではなくスケジュールの方を調整することで簡単に実現できる。これであれば、団体ごとに好きな時期に好きなやり方で好きなだけ導入できる。

それほどサマータイムがよいというのであれば、まずはニコニコ動画で勝手にやればよろしい。時報の回数が増えて喜ぶ人もいるかも知れない。そう。勝手。スケジュールは勝手が効くが、時刻はそうはいかない。勝手を効かそうとした国や地域は困っているところばかりではないか。

Dan the Man with Too Many Clocks to Adjust