あの名著が新装版となって帰ってきたと聞いて早速入手。
旧版の紹介はこちら。
正直、もう少し新しくして欲しかったという気がするが、「海の霊長類」を扱った一般書はあまりに少なく、本書の20年ぶりの復刊は実によろこばしい。
本書「イカはしゃべるし、空も飛ぶ」は、イカおよびタコ、すなわち軟体動物門 (Mollusca)頭足綱(Cephalopoda)を扱った希少な一般書。
目次- 第1章 イカと日本人
- 第2章 イカの設計図
- 第3章 イカの超能力
- 第4章 イカの愛と性
- 第5章 イカの暮らし
- 第6章 イカの過去・現在・未来
- 付章1 日本イカ学の系譜
- 付章2 イカの分類表
1989年に出た前著と変わっているのは統計ぐらいで、それも2000年あたりで足が切れているのがほとんど。限りなく復刊に近い新装版だが、幸いなことに自然科学の対象というのは20年ぐらいで変わったりはしない。しかし食糧資源としてはだいぶ変わっているはずなのでそのあたりの追記はもう少し欲しかった。
表紙は、前著のトビイカの飛翔に代わり、仲睦まじいコブシメのカップル。「空を飛ぶ」に対して「しゃべるし」に重心を移したと行ったところか。
私は食べ物としての彼らは苦手だが、「陸の霊長類」として彼らの生態に魅力を覚えずにはいられない。
404 Blog Not Found:イカはイカすのだ - 書評 - イカはしゃべるし、空も飛ぶそういう視点からイカを見た作品というのは、実はそれほど少なくない。「星ぼしに架ける橋」にも知性化されたイカが出てくるし、SimEarthでもMollusk(軟体動物)の知性獲得率は結構高かった。イカを知性化していないという点ではDavid Brinは哺乳類ショーヴィニストかも知れない(敵役の宇宙人でイカ型は結構出てくるのに)。
同じく進化の頂点に立っている昆虫に関しては、多くの書籍が上梓されているし、同じく海をシマとしている魚類に関しても同様なのに、頭足類に関する書籍の寂しさは一体なんなのだろう。この国だけで年間50万トンも食っているくせに、知られていないにもほどがある。もっと注目されてしかるべきだ。
Dan the Cephalopodiphila

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