というわけで計算してみた。

国連気候変動首脳会合における鳩山総理大臣演説
IPCCにおける議論を踏まえ、先進国は、率先して排出削減に努める必要があると考えています。わが国も長期の削減目標を定めることに積極的にコミットしていくべきであると考えています。また、中期目標についても、温暖化を止めるために科学が要請する水準に基づくものとして、1990年比で言えば2020年までに25%削減をめざします。

まず、具体的にどれだけ削減しなけばならないか。「現状から25%」でなくて、「1990年から25%」なので、

の2007年のデータを用いると、

目標排出量
1,143 Mt [1990] * 0.75 = 857.25 Mt
削減率
(1304 Mt [2007] - 857.25 Mt ) / 1304 Mt = 34.3 %

要するに現状の1/3にしなければならない。

そんな無茶な、と思われるかも知れないが、2020年まであと10年あるので、年間削減率に換算すると、こうなる。

(1 - d)10 = 65.7 %
(1 - d) = 0.95.9 %
∴ d = 4.1 %

これならなんとかなりそうな気がする。

で、具体的にどうするか、といえば、省エネにも限りがある以上、やはりCO2フリーのエネルギーということになるだろう。で、以前「404 Blog Not Found:ハコモノ行政はもうたくさん、でもヤネモノ行政はいけそう」のグラフを見てみると、世界的には太陽電池生産量というのは倍々ゲームで増えていることがわかる。単純計算で10年後には1024倍。2008年の 230MWp が、230GWp になるということ。これは日本の総発電量の2割に相当する。

その頃には、最後の聖域だった自動車の電化もかなり進んでいると思われる。「脱「ひとり勝ち」文明論」の世界の到来だ。

そう考えて行くと、「2020年までに1990年レベル-25%」というのは、なかなかやりがいのある目標なのではないだろうか。

co2-2006

その一方、日本がいくらがんばっても、米中露印という排出大国にがんばってもらい、かつ発展途上国--そう、かつての「後進国」の遠回しの呼び名ではなく、今や文字通りの発展途上国--にもがんばってもらわなければ意味がないことは、右のグラフからもわかる。特に米中にはがんばってもらう必要がある。中国のGDPは今年にも日本のそれを抜くはずだが、右のグラフを見れば、中国のGDPあたりのCO2排出量が半分になるだけで、日本とインドがそっくりなくなるのと同じだけのインパクトがあるのだ。

それでも「2020年までに1990年レベル-25%」を進めるべきだと私が思うのは、それくらいやってやっとこの問題で日本がイニシアティヴを保てるからだ。日本は大国でなくなるが、それを言えばドイツだって今や「EUの有力国の一つ」に過ぎない。量ではなく質で勝負するのだとしたら、この分野でトップからすべり落ちるべきではないのだ。

Dan the CO2 Dumper