クチコミの技術 http://j.mp/3wHqMt のコンビが、その技術を駆使して書いたのは、究極のクチコミプラットフォームであるtwitterだったというのはあまりに自然である。
むしろ不自然とも言うべきなのは、なぜ今twitterなのかということだ。私が「twitterはじめてみた」と書いたのは、2007年4月11日 http://j.mp/3Ur9Q もう二年も前のことだ。
その間になにがあったのか?そこに本書を読み解くかぎがありそうだ
本書「ツイッター 140文字が世界を変える」は、日本語で書かれたtwitterのまとめのうち、現時点において最良の一冊。
目次- はじめに
- ツイッター早分かりガイド
- 第1章 日本におけるツイッターの歴史
- ツイッターとの出会い/2年前に第一次ブーム(2007年)/ツイッターで突発的な飲み会が開催される/2008年は、横ばいだった?/なぜ2009年になって再ブレークしたのか/携帯電話とツイッター/アイフォーンとツイッター、その高い親和性/2009年春先から、著名人がツイッターに参入/ビジネスや著名人の利用が目立ち始める(2009年5月)/IT系著名人が続々参加(2009年6月)/ファンタジスタ「@asahi」の登場/「@asahi」のフリーダムっぷり/ビジネスでの利用が活発化(2009年6月)/ビザビとツイッター/毎日新聞とツイッター/2009年7月 ―エポックメーキングな1カ月/フジヤカメラとツイッター/ツイッター小説の出現/勝間和代がツイッターを始める/冬の女王・広瀬香美、夏にツイッターを始める/広瀬香美と「ヒウィッヒヒー」/「ビバ☆ヒウィッヒヒー」誕生/ツイッターでスポーツ中継する「スポルタァァァ!」/ツイッターと政治
- 第2章 ツイッターとは何か?
- ツイッターは分かりにくい?/ツイッターは誰が作ったのか?/ツイッターはいつ作られたのか?/なぜ140文字なのか/140文字というコンテンツの単位/「フォロー」と「フレンド」は違う/人が先か、情報が先か/タイムラインとは/ツイッターがオープンであることの意味/リプライとリツイート/リプライとは/リツイートとは/ハッシュタグとは/公開か非公開か/ミクシィとツイッター/ツイッターはよりダイレクトなサービス/セカンドライフとツイッター/ツイッターはこのまま普及するのか? 化けるのか?/ツイッターは「情報フィルター」そのもの
- 第3章 ツイッターを楽しむためには?
- ツイッターに決められた使い方はない/情報との距離が近いツイッター/利用頻度の高いツイッター/使い方は人それぞれ/ツイッターはプラットフォーム/とりあえず「おすすめユーザー」をフォローしてみる/まずは知人がいればフォロー/知らない人でもとりあえず100人くらいフォロー/同じタイムラインは二つとしてない/ツイッターの三カ条/月面にいるようだ/ボットもフォロー/時事ニュース、ニュース速報もボットで/ツイッターを利用する二つのスタンス/醍醐味はコミュニケーション/何が面白いのか/「つぶやきを非公開」はもったいない/ツイッターは世界に開かれた窓/つぶやいてはいけないこと/どのくらいの頻度でつぶやいているのか/クライアント・ソフトを活用する/ブログの更新情報の配信先として利用する/ツイッターを利用した周辺サービス/それでもやっぱり向き不向きがある
- 第4章 ツイッターをビジネスで活用する
- ビジネスにツイッターを活用することができるのか?/ブログもそうだった/ツイッター・ユーザーは「量」より「質」/企業がツイッターを始めている事例/ポーケン・ジャパン(Poken Japan)/ビザビ/フジヤカメラ/毎日jp/ヤフー・ショッピング/広瀬香美さんに、ツイッターでインタビュー!
- 第5章 ツイッターの今後
- ツイッターの価値の変化?/なぜツイッターはここまで成長してきたのか?/ツイッターと連携するモバイル端末/ツイッターと実況中継の相性の良さ/ツイッターと検索/グーグルからの買収話を断った/なぜグーグルがツイッターを恐れるのか/日本での今後の展開は?/ツイッターにおける欧米と日本の文化的な差異/日本語に有利なツイッター/日本の携帯電話での展開/試練を受けるツイッター/ユーザーに愛され続けるツイッター/ネットを通じた社会実験としてのツイッター/フォローとフォロワーズの関係/情報を出していく人がより面白いことになっていく社会/ツイッターは自分の人間力の鏡である/ツイッターはツイッターでしかない/14年かかってネットはついにここまで来た
- おわりに
- 参考URL一覧
- ツイッターを便利にするウェブ・サービス
- ツイッターを便利にするクライアント・ソフト
- おすすめボット
前述のとおり、twitterそのものは2年前から存在した。なぜ今になって(改めて)注目されるようになったのだろうか
それを読み解く鍵が、TIm O'Reilley の台詞、"Data is the next Intel Inside"だ。
twitterをtwitterとたらしめているのは、http://twitter.com でもなければ API でもなく、つぶやきそのものなのだ。
つぶやきがたまるのに、それだけの時間がかかったという訳である。この点において、twitterというのはWikipediaなどと何ら変わるところがない
本書が秀逸なのは、こうしてつぶやきが貯まった結果なにかが起こるという過程を、本としてきちんとまとめ直しているところにある
「まとめ直す」。実はこれこそtwitterを「つぶやき以上」のものに変える力であり、twitterそのものが提供していないものなのである。
twitterそのものは、あらゆるWebサービスの中でもっとも使うのが楽なサービスの一つである。これ以上楽なものというのはありえないという点では究極と言ってよい。
しかしそれをまとめ直すのが難事であることは、こうして tweet で書評を一本書こうとするだけでわかる。
twitterを使うのは簡単だ。twitter本を、きちんとtweetsを集めて作るのは難しい
twitter本は他にもあるし、今後も出ると思われるが、ここまできちんと「つぶやきつつ作った」本というのはありえないのではないか。少なくとも単著では駄目だ。それでは「つぶやき感」が出ないのだから。
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