著者より献本御礼。の

これぞ、キラー文章術。

日本語作文術」も「非論理的な人のための論理的文章の書き方入門」も書き落としていた具体策が、ここにある。

三行にまとめよ。報告書も懸想文も。離縁状も半行縮めて(笑)。

本書「仕事の文章は3行でまとめなさい」は、私が今まで読んだ文章術の中で、最も使える一冊。

まずなんといっても術が具体的。

8割捨てたら仕事は9割うまくいく」をはじめ、「術本」には数字がよく書名に入っているが、よく見ると「〜割」とか「〜倍」となっており、実は目分量に過ぎない。

これに対して「三行」というのは量ではなく数であり、一行でも二行でも四行でもなく三行。これなら九九をまだ覚えていない小学生でもわかる。

次に、実際に三行というのが過不足ない分量であること。

twitterで一度に書けるほど短く、それでいて電子メール一通がきちんと成立するほど長い。誰にでも書けるほど短く、なのに書き落としを防げるほど長い。そして誰もが最後まで目を通すほど短く、にも関わらず読み足りなさを感じないほど長い。

一例をあげよう。

P. 77
 このたびは○○の修理遅れでご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。
 伝票への配達日時の記入ミスが原因で、深く反省しております。
 このような間違いを二度と起こさないよう、データ処理のチェック体制を改善するなど強化していく所存です。

ここから最後の文章を抜いたらどうなるか。

この件は完了していないことになる。少なくとも受けての側では。

同じ情報が入っていれば一文でいいかといえば、そうはならない。

このたびは伝票への配達日時の記入ミスが原因で○○の修理が遅れによりご迷惑をおかけし誠に申し訳なく、深く反省すると同時にこのような間違いを二度と起こさないよう、データ処理のチェック体制を改善するなど強化していく所存です。

どちらが書きやすく読みやすいかは、一目瞭然だ。

第一文で文脈(context)を設定し、第二文で主題(content)を述べ、そして第三文で結論(conclusion)する。三行文の基本は、起承転結から転を抜いたものだと考えればよいだろう。

結語可能。これだけでも、三行文にするのに十分なメリットではなかろうか。

そして最後に、本書は添削を通して文章を三行化していること。

NG例
私は教養を高める為に、マナー教室や話し方教室に通って自分を磨いていてもなかなか理解されていないような気がするし、身だしなみに気を使っていても、うまく相手に表現できないという現実の前に悩んでいます。
訂正後
私には、悩みがあります。
マナー教室や話し方教室で自分を磨いても、身だしなみに気を使っても、
うまく表現できないのです。

これだけ事例を示されては、同意せざるを得ない。この三行文が、

誰にでも書け、

誰にでも読め、

そして誰もが読み書き続けられることに。

三回回ってワンと吠えたい気分だ。

Dan the Man with Too Many Words