え?

大和総研ホールディングス /コラム:消費税増税は子どものためか
しかも、今まで、高齢者は、実質上、消費税を負担していない。1989年に消費税が導入されたとき、97年に税率引上げがあったとき、消費税による物価上昇はインフレと同じとされて、その分だけ年金支給額が引き上げられている。

調べてみた。

その結果が、こちら。

国民年金対前年(a)物価指数(b)a-bコメント
1987626,5000.59%0.09%0.50%
1988627,2000.11%0.99%-0.88%
1989666,0006.19%2.55%3.63%消費税導入
1990681,3002.30%3.16%-0.87%
1991702,0003.04%3.30%-0.26%
1992725,3003.32%1.74%1.58%
1993737,3001.65%0.86%0.80%
1994747,3001.36%0.38%0.98%
1995785,5005.11%-0.28%5.39%
1996785,5000.00%0.00%0.00%
1997785,5000.00%1.50%-1.50%
1998799,5001.78%0.88%0.90%消費税5%に
1999804,2000.59%-0.68%1.27%
2000804,2000.00%-0.99%0.99%スライド凍結
2001804,2000.00%-0.90%0.90%スライド凍結
2002804,2000.00%-1.01%1.01%スライド凍結
2003797,000-0.90%-0.40%-0.49%
2004794,500-0.31%0.00%-0.31%
2005794,5000.00%-0.61%0.61%
2006792,100-0.30%0.20%-0.50%
2007792,1000.00%-0.10%0.10%
2008792,1000.00%1.10%-1.10%
2009792,1000.00%-1.19%1.19%

ソースは、以下のとおり。

nenkin-cpi

消費税は四重に逆進的である

404 Blog Not Found:消費税は三重に逆進的である
消費税は単に高所得なほど低実効税率という意味で逆進的であるにとどまらず、高資産者ほど低実効税率という意味でも逆進的であり、その上福祉の財源にあてることによって、高齢者ほど低実効税率--どころか負の消費税!--という逆進性が加わり、逆進性は三重になるのだ。

これを書いた時点では、公的年金の物価スライドのことまでは計算に入れていなかったが、見ての通り、消費税が上がると、それ以上に公的年金支給額は増えるのである。少なくとも実績では。

将来世代のことなど、誰も真面目に考えていないのだ。

真面目に考えている人はいる。しかし考えてたところで何になるのか。

格差と希望」 P. 223
強い不満をもつ人の方が、強い政治力を発揮することが多い。絶対的水準では貧しいはずの人から豊かな人への所得移転を促進するような規制や所得再配分政策が行われてしまうのは、人間のそうした[相対的な水準を適用してしまいがちな(引用者註)]特性のためだ。正社員の既得権を守ったがために就職氷河期が発生したのも、公的年金改革が進まないのも同じ理由ではないだろうか。

「明けぬ夜はない」という言葉があるが、この件に関してはいつ夜が明けるのか私にも見当もつかず、妙案も思い浮かばない。少なくとも、民主主義的、進歩主義的(evolutionary)なやり方は。革命主義的(revolutionary)な方法に頼るしかないのだろうか…

Dan the Taxpayer