
やはりお鉢がまわってきたので。
回答希望。ラクダかわいい以外で。@dankogai さんとか? 「〜今あえてPerlを取る理由というのが個人的には思い浮かばない。生粋のPerl使いならきっと流暢な解答を用意してくれると思う。」 プログラミング言語人気TOP10の簡易解説 http://ht.ly/3NaTk
用途的にPythonやRubyと被るので、今あえてPerlを取る理由というのが個人的には思い浮かばない。生粋のPerl使いならきっと流暢な解答を用意してくれると思う。
ベタ
銃器で言えばコルト・ガバメントみたいなものだと言えば分りやすいのではないだろうか。つまりCがトンプソンM1で、PythonはベレッタM92くらいということだ。
巧妙なたとえだが間違っている。ガバメントは引退したが、Perlはバリバリの現役だからだ。どれほど現役かはYAPC::Asia::2010の主催者リストを一覧するだけでおわかりいただけるだろう。日本でPythonコミュニティの厚みがこの域に達するのはいつの日になるのだろうか。銃器に例えるのであれば、PerlはむしろM2。
ネタ
各言語コミュニティのうち、Perlほど遊び好きなものはいまだに見当たらない。AcmeネームスペースにCode Golfに記号プログラミング…ここ10年の言語遊びのほとんどは、Perlが先鞭をつけて他の言語がそれを追いかけている。私に言わせると、他の言語コミュニティはボケがまだまだ足りない。Perlに対して突っ込んでいるうちはまだまだ。ボケもかましてくれないと。
メタ
たとえば現代的な人気スクリプト言語のほとんどはオブジェクト指向を言語そのものに組み込んでいる中にあって、Perl 5のそれは「かぶせもの」となっている。Perlに対する批判で最も大きいのがこれだが、このことによってPerlではオブジェクト指向の実装そのものを言語内で変えることが出来る。
このあたりのことはYAPC::Asia::2008 - Perl as a Second Languageとして発表したので詳しくはそちらを。
オタ
用途的にPythonやRubyと被るので、今あえてPerlを取る理由というのが個人的には思い浮かばない。
という人は、Perlに言語しか見ていない。しかしPerl Mongerにとって、Perlは言語ではなく文法。CPANこそ言語なのだ。この点に関してはゼロ年代が終わった今でもPerlの域に達した言語はゼロである。
この点においてPerlを抜きそうなのはやはりJavaScriptだろうか。jQueryのようにCDN経由でライブラリーを配布してインストールすら不要にするというのは、他の言語にはない圧倒的な優位点である。ただしそのおかげでCPANのように「まとめる」インセンティブも弱く、事実上世界で最も普及している言語の割に未だに(不当に!)軽んじられている理由も、ユーザーにまとまりが欠けるからだ。

言語設計者たちが考えること
Mastermind of Programming
Federico Biancuzzi / Shane Warden
伊藤真浩 / 頃末和義 / 佐藤嘉一 / 鈴木幸敏 / 村上雅章訳
[原著:Masterminds of Programming]
まとめ
結局なぜPerlを目を離せないかと言えば、Perlはもはや言語ではなく文化だということに尽きる。それも単なる文化ではなく、他の言語が文化を育む際の手本となっている文化。ベタにおいてもネタにおいてもメタにおいてもオタにおいても。
もしプログラミング言語が、単にコンピューターに何かを命ずるための道具だとしたら、あえてPerlを学ぶ理由というのは私にも思いつかない。しかしもしプログラミング言語に文化をも見いだすのであれば、Perlを学ばずにいられる理由を私には思いつけないのだ。
Dan the Perl Monger
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