余震がいまだ続く中、東電は3回目、東北電にとっては初となる計画停電が迫っています。

404 Blog Not Found:news - 東電停電ファインダー for 2011.03.15〜
昨日は結局グループ5のみの実施に終わりました。その中に被災地が含まれていたことに心が痛みます。

被災地が対象外になって本当によかった

第一回目の「計画倒れ」に懲りたのか、行政からのつっこみが効いたのか。

計画停電 被災地は対象外に NHKニュース
東京電力は、今回の計画停電に関連して地震で被害を受けた地域まで停電にしたことに対して、大きな批判が出ていることを受けて、茨城県のほぼ全域や、千葉県と栃木県内の被災地については、当面の間、停電の対象から外しました。

東北電力も被災地を対象から外しています。

これがなぜ重要なのか。

全ての復旧は電力からはじまるからです。

家一軒程度から、大震災まで。実際に体験した方であれば実感してらっしゃるとは思いますが、そうでなくとも「福島クライシス」の発端が非常用電源が死んだことにあることを考えれば、未体験の方にもある程度はご理解いただけるかと。そう。電源がなければ発電所すら復旧できないのです。

20年前、私の実家が全焼したときもそうでした。

消火作業--というより延焼防止作業--は夜を徹して行われたのですが、それが出来たのも投光器があったから。一夜明けた翌日には庭だった場所のがれきをどかして12畳のプレハブ小屋を建てたのですが、もちろん電気も引き込みました。契約は40A。ずいぶん大きいようですが、こたつやマイクロウェーブ・オーヴンを考えれば30とかでは足りなかったはずです。そのマイクロウェーブ・オーヴンでチンしたおしぼりがしばらくの間風呂代わりだったのは一生の思い出です。

そこに計画停電が来たらいったいどうなっていたか?石油ファンヒーターのファンすらまわらなくなります。電気がなければ、残りのライフラインまで死んじゃうのです。

20年前ですらこうでした。当時は携帯電話もなければインターネットもありませんでした。パソコンとパソコン通信はありましたが。その分現代はさらに停電に対して脆弱になったというのも事実ですが、逆に言えば通電で得られる力は当時とは比較にならないほど大きくなったとも言えます。英語で"Power"といえば、"Electric"と付けなくとも電力を指すのはだてじゃないのです。

火力発電所はいま

福島の様子だって気になりますが、私がそれ以上に気にかけているのが、火力発電所の復旧状況。

なのですが、マスメディアはスルーの上、東電も一日一回、それもこの程度のリリースしか出してないのです。

  • プレスリリース 2011年|TEPCOニュース|東京電力 - 3月11日23:00時点
    ・広野火力発電所   2、4号機 地震により停止中 ・常陸那珂火力発電所 1号機 地震により停止中 ・鹿島火力発電所   2、3、5、6号機 地震により停止中 ・大井火力発電所   2、3号機 地震により停止中  ・五井火力発電所   4号機 地震により停止中 ・東扇島火力発電所  1号機 地震により停止中
  • プレスリリース 2011年|TEPCOニュース|東京電力 - 3月15日16:00時点
    【火力発電所】 ・広野火力発電所 2、4号機 地震により停止中 ・常陸那珂火力発電所 1号機 地震により停止中 ・鹿島火力発電所 2、3、5、6号機 地震により停止中 ・大井火力発電所 2号機 地震により停止中  ・東扇島火力発電所 1号機 地震により停止中

要するに、大井五号(35万kw)と五井四号(26.5万kW)しか復旧していない。これが全部復旧するとどれくらいになるか?

これくらいになります。

発電所燃料停止中出力合計コメント
広野火力発電所石油60万kw + 100万kw160万kw5号機のみ石炭(稼働中)
常陸那珂火力発電所石炭100万kw100万kw
鹿島火力発電所石油60万kw * 2 + 100万kw * 2320万kw
大井火力発電所石油35万kw35万kw
東扇島火力発電所LNG100万kw100万kw
総合計715万kw

これだけあれば、少なくとも春の計画停電に終了のお知らせを出せるのではないでしょうか。「ヤシマ作戦」は継続せざるを得ないし、夏を凌ぐにはまだ足りないのだけど。

前述のとおり、全ての復旧は電力にはじまります。東電様におかれましては、火力発電所の情報ももう少し出していただけないでしょうか?

電力こそが、社交辞令抜きの最初のお見舞いなのですから。

Dan the One of 40+ Million Customers Thereof