これはすごい…(多い|少ない)。
事故評価、最悪の「レベル7」=チェルノブイリと並び2例目―福島第1原発(時事通信社) - livedoor ニュース福島第1原発の事故について、経済産業省原子力安全・保安院は12日、国際原子力事故評価尺度(INES)で最も深刻な事故に当たるレベル7と暫定的に評価すると発表した。保安院はこれまでレベル5(広範囲な影響を伴う事故)としていた。レベル7は、INESで「放射性物質の重大な外部放出」とされている。
試しに以下の問題を解いてみましょう。
(ヨウ素換算63万テラベクレル.http://bit.ly/fRxmkt これを放射性ヨウ素131の質量に焼き直すと,およそ1) 100トン 2) 100 キログラム 3) 100 グラム 4) 100ミリグラム.?)
以前「404 Blog Not Found:「放射能ほど測定しやすいものはない」ってどんだけ?」で、100Bqのヨウ素131は一億個、つまり1Bqでは100万個ということを計算しておいたので、あとは素直に掛け算してみればいい。
6.3e23[個] / 6.02e23[個/mol] = 1.05[mol]
1.05[mol] * 131 [g/mol] = 137[g]
100gのオーダー。
これが、レベル7の重さ。
尾籠な話、検尿のコップ一杯分ぐらいですか。
これだけの尿を旅客機が飛ぶ高度1万mからばらまいても誰も気づきもしないでしょう。
しかし、放射性物質なら、太平洋の向こうまで渡った分まで検出できるし、人的被害も出る。今回被曝による死者こそまだ出ていませんが、負傷者はすでに出ています。
「建屋が吹き飛ぶほどの大爆発が何度も起きたのに、この程度か」という見方も出来なくもありません。しかしむしろ「たった100gでもアウトなのか」と思った方の方が多いのではないでしょうか。私もその一人です。原発とは、これほど失敗が許されない施設であったのか、と。
あえてよい面を見ると、これは事故を隠蔽できないということでもあります。チェルノブイリもそれでばれました。鉄のカーテンでも隠しようがなかったのです。これはグラスノスチのきっかけにもなっています。
原子力に限らず日本の行政も、これをきっかけによい方向に変わることを期待します。
Dan the Radioactive (10kBq)
追記:
@dankogai セシウム137のヨウ素131換算40倍で計算した数値から質量を求めても、半減期が1369倍違うから問題として物理的に意味があまりないというのが答えでは。ヨウ素33g、セシウム3754gで合計3787gのほうが意味がある。
元資料である
によると、137Csは安全委員会発表値で1万2000テラベクレル。計算してみると、
12,000e12[Bq] * 1.37e9[個/bq] / 6.02e23[個/mol] = 27.3[mol]
27.3[mol] * 137[g/mol] = 3742[g]
確かに質量で上の「ヨウ素換算値」とは一桁違う。が、これにしても2Lペットボトル二本分。やはり「上空からばらまいても放射線出してなければわからない」分量ではある。ちなみに質量数があまり変らない137Csの方が131Iの100倍あることは、
セシウムは過去4年分くらいの燃料利用で核分裂分がそのまま蓄積され、ヨウ素は2ヶ月以前の核分裂の分は半減期8日で消えちゃうからでは @dankogai でもそれだとセシウムが多すぎるように見える http://ht.ly/4yfsI によるとCsの収率6.09%に、I2.83%
と説明がつく。元々倍出来やすい上、半減期が長いため蓄積しやすいのだ。
それなら、もっとじゃんじゃん、世界中に作らなくっちゃ。
そういうことになるでしょう。