
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
David Meerman Scott / Brian Halligan
糸井重里監 / 渡辺由佳里訳
[原著:Marketing Lessons from the Grateful Dead]
出版社より献本御礼。
書評しそびれているうちに、Amazon 10位ですか。
Touch of Greyのビルボードの順位と同じではないですか。
でも、本書にはベストセラーよりロングセラーになってほしい。
Greatful Dead のように。
本書「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」の Greateful Dead は日本ではあまり知られていなかったけど、本書でそれも変わるだろう。インターネットのイの字もなかった頃にフリーミアムを実現していた彼らが知られていなかったことは、日本のインターネットにおける最大の悲劇だったのかも知れない。
目次
|
|
その活動をとおして、彼らはインターネットのありように対するメンターともなった。彼らのファンは Deadheads と呼ばれるが、 Deadheads はインターネットの現場の至る所に見られる。私自身は時々"Touch of Grey"を聴くぐらいでとても Deadheads とは言えないが、それでも Deadheads に囲まれて寮生活を送ったのだ。 The Night of the Living Deadheads といったところか。お、少なくとも OS X の spellchecker は deadhead を知ってるぞ。よしよし。
インターネットというのは、ヒッピーとヤッピーの交差点である。Steve Jobsの"technology alone is not enough. It's technology married with liberal arts, married with the humanities, that yields the results that make our hearts sing." の liberal arts と humanities とは、まさにヒッピーのことだ。本書を表して「時代が Grateful Dead に追いついた」という人もいるだろうが、それは少し違う。それに触れて育った人々が時代を築いたのだから。
インターネットを「輸入」した国では、そのうちヤッピーばかり輸入してきたように思う。結局のところ、それがライブドア事件の遠因でもあり、そして今またこういう法案が持ち上がる理由ではなかろうか。
時事ドットコム:違法ダウンロード処罰へ法案=自公自民、公明両党は7日、インターネットを通じた音楽や映像ファイルの違法ダウンロードに対し、2年以下の懲役か200万円以下の罰金を科す法案をまとめた。民主党に協力を求め、来年の通常国会で成立を目指す。
ネット上では音楽ファイルなどの違法ダウンロードが相次ぎ、関係業界に多大な損害を与えている
彼らにとって、 Deadheads は「関係業界に多大な損害を与えている」としか映らないのだろうか。本書を読んで再考していただきたいものだ。本書を読了後もそれがわからないのであれば、それは Brain Dead の証拠である。
Dan the Man with a Touch of Grey
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。