はじめにお断りしておくと、私自身、この税制の最大の受益者の一人である。

キャピタルゲイン税率10%延長の署名にご協力を! | isologue
下記の各社のサイトから、みなさん奮ってご署名を!

だからこそ、こう嘆息せざるを得ない。

どの面下げて、と。

まずは以下をご覧いただこう。

これは何か。申告納税者の所得税負担率(平成19年分)である。見ての通り、一億円を境に実行税率は下がっている。所得税って累進課税ではなかったのか?

こうなる理由は、インカムゲインとキャピタルゲインは「別腹」になっていることにある。累進税率となっているのは、インカムゲインのみ。キャピタルゲインの税率は固定なのだ。CSセミナーでも言ったが、税制的に、働いたら負けなのだ。

しかもこのグラフに反映されているのは、申告納税分のみ、意見広告を出した四社のいずれかに特定口座を開設して、そこを通じて得たキャピタルゲインは一切登場しない。

平成22年度税制改正の大綱 参考資料(5/5) : 財務省
所得金額があっても申告納税額のない者(例えば還付申告書を提出した者)は含まれていない。また、申告不要を選択した場合の配当所得や源泉徴収で課税関係が終了した源泉徴収特定口座における株式等譲渡所得や利子所得等も含まれていない。
キャピタルゲイン税率10%延長の署名にご協力を! | isologue
本当はさらに株式市場にマネーを回さないといけない。

なぜ?成長戦略のため?

この「成長戦略」、実は戦略でも何でもない。

戦略に相当するのは、成長の結果何を得るかだろう。

仮に前者だとしたら、それはすでに大成功をおさめている。

しかし「富裕層増大キャンペーン」は、そもそも有権者の支持を得た上での戦略だったのか?

それであれば、それでよい。二億人の男女(当時)の可処分所得を一時的に下げてでも、月に12人の男(女はいなかった)を送り込むというケネディの戦略は、そのようなものだった。もしそれがなければ、ヴェトナム戦争の敗退はより惨めなものとなり、冷戦は今もなお続いていたかもしれない。

しかし、もしそれが「全ての貧困を、生まれる前に消し去りたい」という戦略をトリクルダウンを通じて実現するための戦術なのだとしたら、失敗はすでに明らかになっている。トリクルダウンなんて存在しなかったのだから。

なぜ世界各国でバフェットをはじめ最富裕層自らが「おれたちにもっと増税しろ」と言い始めた--以前から主張していた者はその声を大きくした--かといえば、そのままでは本来の戦略が戦術だおれになってしまうことを、実例が明かしはじめたからではないか。

消費税増税が衆院可決されたこのタイミングで「キャピタルゲイン税率10%延長」というのは、経済音痴以上に戦術音痴で、そしてそれ以上に戦略音痴だと言わざるを得ない。今のはまずかったよ、まねっくす。よりにもよって、友達を放り投げるなんてどうかしてるよ。

それではどうするべきなのか。「働かざるもの、飢えるべからず」でもある程度考察したが、近日中に別entryをあてて、特に税率に関してより具体的に書く事にしよう。

Dan the Taxpayer