What?

英会話で丁寧に頼む7つの表現と丁寧度を9秒でマスターする方法 | わいわい英会話
相手の意思を聞くWillより身体的能力を聞くCan の方が丁寧です。

Would you give me a break?

そんなことを英語で言っている人を、私は見たことがない。

その代わりに言っているのは、丁寧の度合い(politeness)において would = could > can = will ということである。

English Grammar | LearnEnglish | British Council | ability, permission, requests and advice

Instructions and requests:

We use could you and would you as polite ways of telling or asking someone to do something:

Could you take a message please?
Would you carry this for me please?
Could I have my bill please?

can and will are less polite:

Can you take a message please?
Will you carry this for me please?

それでは何が違うか?

謙譲の度合い(modesty)なのである。この順に並べると can = could > will = would となる。

なぜか?実例を見てみよう。

Q: Could you fix the code by the end of this week?
A: I can if you insist. But it's Thursday already and I have a date tomorrow.

もっとぶっきらぼうに答えれば、"Yes I can. But no, I won't."と答える余地が残るのだ。「だが断る」余地が残っている分、謙譲しているわけだ。

日本語においても、「可能でしょうか?」と「頂けるでしょうか?」のどちらが丁寧かは答えようがないだろう。しかしどちらが謙譲しているかは明らかだ。

すごくざっくりとした使い分けの目安としては、「断られたら自分で出来るか」ということがある。出来るならwill/would、出来ないならcan/could。例えばあなたがディレクターでプログラマーにコードの直しを頼むのであれば"Could you fix the code?"、同じプログラマーであれば"Would you fix the code?"といった具合だ。ディレクターなのに"Would you fix the code?"を乱発してたら、職種を変える頃合いかもしれない;-)

そしてこの場合、仕事が難しければ難しいほど、現在形の方が誠実(sincere)になることも覚えておくとよいだろう。直るか直らないかの瀬戸際なら、"Can you fix the code?"でなければ状況を甘く見ていることになるし、"Will you fix the code?"と言い切るためには答えが"No"の場合"I will fix it."と言えなければならないし、"Yes"の場合にも"I did my best but my best wasn't good enough."という答えが返って来た場合に備えなければならない。

なお、いくら自分が代わりになれないからといっても"Can you marry me?"では全てぶちこわしである。ご注意を。

上記の例では丁寧さは同程度なので、ずっと丁寧なのにずっと押しの強い表現を見ればさらに丁寧と謙譲の違いがはっきりする。

I would appreciate if you would fix the code.

なんとwouldの二段重ね。日本語でいうと「よろしかったでしょうか」なみのしつこすぎる(実際は"I would appreciate it if you fix the code."ぐらいが「よろしい」ようだが、今では英語圏でも良く見る)表現であるが、一等顧客にここまで言われたとしたら、金曜日のデートぐらいでは許してくれそうにない。これで"Thank you in advance."などと続いていた日にはもう残業決定ってなもんである:-(

それよりさらに誤解されているのが「命令」系。英語でも"imperative"というぐらいで、この言葉も"emperor"も同じラテン語の"imperare"から来ているだけあって確かに命令にも使えるし使うのだが、だとしたらなぜ Nike は "Just do it" とか言っているのだろう。いくらなんでも頭が高すぎないか?

違うのである。英語の命令形は、実はほとんどの場合、命令=orderではなく推奨=suggestionなのである。ビジネス書やライフハック系のblogの<hn>タグの中身を見て欲しい。ほとんどが"Just do it"的なimperativesではないか。もちろん推奨形が成立するためには、話し手と聞き手の目線の高さを同じにしておくという下準備が必要なのであるが、それ抜きで丁寧なお願いを乱発するぐらいなら、のっけから命令形ぐらいの方がよっぽどいい。少なくとも何が言いたいかはずっと正しく伝わる。

あれを「ただやれ」と訳すとしたら、その訳者の日本語力はどうみても不足している。

まだ「やっちゃいなYo!」の方がいいYo!

一番重要な注意点は、推奨で命令形を使う場合には"please"を絶対に付けてはならないこと。これはどんな文章でも「はい、喜んでっ」命令形に変えてしまう、正真正銘 killer word なのだ。 Please never forget not to add "please"! まだ子どもがクリスマスプレゼントをおねだりするぐらいなら親も大目に見るが、上司に言おうものなら目も当てられない。ありがたいことにたいていそういう場合の"please"は文末に来るので、言い終える前に"Sir"なり"Ma'am"なりに差し替えよう。

なお、「日本人の9割に英語はいらない」には三回転ジャンピング土下座的丁寧謙譲語が出てくる。英語でどこまで平身低頭できるか知りたい方はぜひ一読を。

Summary

というわけで本記事では以下のことを説明した。

  1. 丁寧は謙譲ではない -- Politeness is not modesty.
    1. 誠実でもない -- Neither is sincerity.
  2. 命令形は推奨形かも -- Imperatives may be suggestions.
    1. "please"抜きなら -- without "please".

この二つを踏まえた上で、以下のどちらが丁寧か、親にどやされる子どもの気持ちになって考えてみよう。

  1. Do the garbage before breakfast.
  2. Would you please do the garbage before breakfast!

Your concern is highly appreciated :-p

Dan the Nullingual