一年前に入手したHTC EVO WiMAX ISW11HTWindows Phone IS12Tのうち、一台がIPhone 5に化けたので今月のうちにもう一台の方を解約しようとしたらなぜかこれに化けていたので(笑)。

  • 化けた理由は、MNP。端末代金3万円引きの月々サポートが3465円。しかも「音声通話なし」というプランが組めるため、端末を一括で買った場合月々の料金はここまで下がる。
  • Xiデータプランフラットにねん4,935円
    SP Mode315円
    月々割-3465円
    合計2835円
    なんとモバイルルーターよりも安いのだ。ちょうどDTIハイブリッドモバイルプランもリプレイスしたいと思っていたので渡りに船というわけで。
  • なお一括で買ったのは、「分割お断り」ではなく量販店での購入なのでポイントを使えたため。
  • と同時に、この子はHTC EVOが担っていた「Androidのテスト用端末」という役割もリプレイスすることになる。ほとんどWiMaxルーターと化していたEVOだが、そのWimaxもiPhone 5のおかげで不要になり、そして4.1はおろか4.0にアップグレードもできないのでは安らかに眠らせるしかない。 iPhone は 3GS ですら iOS 6 にアップグレードできるというのに…
  • 入手して早速のけぞったのは、店頭で入手後早速テザリングの設定を行っていた時。なんとフリーズ。あらゆるボタンの押し長押しを受け付けなくなってしまった。一分放置してもそのままだったので電池を抜いて強制再起動。電池をはめ殺せない理由ってこれなの?
  • しかし再起動した後は、無事テザリングに成功して一安心。有楽町で上り9.676Mbps/下り0.948kbps。同じ場所でAUのiPhone 5は18.98/6.81Mbpsだったのでちょっと見劣りしたが、後述のとおりカバー率でのDOCOMOはすごい。まず満足すべき値。ただし自宅は圏外orz。
  • ところで「モバイルブロードバンド」の主流は、9月21日をもって全社LTEで統一されたことになる。さよならWiMax…
  • とはいえ、長らくAndroid Phonesの専売特許だったテザリングはiPhone 5で完全に追い抜かれた感がある。([設定]→[無線とネットワーク]→[その他])と階層が深い上、やたらもたつきがあるのに対しiPhone 5の([設定]→[インターネット共有])は一瞬でオンになる。この点に関してはサードパーティーアプリである程度解消できるのだが、結構大きいのがNAT-PMP/UPnP対応。iPhone 5のテザリングでは対応していて、Back to My Macも動くのだがGalaxyはEVOの頃と同じくNGだったのが微妙に痛い。EVOがあったにも関わらずこのたび引退させたDTIハイブリッドモバイルプランが残っていたのはそれが理由だった。
  • Android 4.0 ICS(というかSamsung端末は前からそうだったそうだが)のいちばんいいところは、開発環境なしでスクリーンショットをとれるところ…といいたいのだが、Galaxyのアンロックボタンと音量ボタンの位置関係、そしてそれが「押し」でなく「長押し」であることの組み合わせによりiOS比で実に使いにくいものとなっている。音量ボタンまで同時押ししてしまいやすいのだ、おかげで右のような悲しいスクリーンショットが何枚も採れてしまった。それでもEVOの頃に比べたら極楽ではあるのだが…
  • 一方一番悲しかったのは、ICSであるにも関わらず[戻る]ボタンが右のままだったこと。アホなことに、気が付いたのは入手してから。Appleにつっこまれているように、Galaxyではホーム以外のボタンを目立たなくすることにより他の端末よりiPhoneっぽくなっている。あたしって、ほんとバカ。
  • とはいえ大昔のGalaxy Sならとにかく、こんなうすらでかくなった子をiPhoneと取り違えるのはあずきバーで殴られた親父ぐらいのものだろう。さすがに私でも、AppleがSIIIまで差し止めたがっているのは行き過ぎだと思っていた。これを見るまでは。 …変わってないじゃん!色が黒くて、へりに手すりのようなものがついてるだけ?しかも"SAMSUNG"の裏には「NTTドコモ」ってしっかり書いてあるよ。「iPhoneないのはドコモダケ」ってまさかこれが理由? ちなみに私が一番お気に入りのコンパクトUSB ACアダプターは、Kindleについてたそれ。これは本当に美しいし抜き差ししやすい。
  • ICSになっても、「しょぼいソフトウェアをハードウェアで力押す」がほとんど変わっていないように見える。確かにもたつきは減ったが、こいつがしょっちゅうお出ましになる。
  • 「UXに責任を持つのは誰か」問題は、むしろますますひどくなっているかも知れない。アプリストア一つとっても、[Playストア][Samsung Apps][dマーケット]と三つもある。ホーム画面も[docomo Pallete UI]と[TouchWizホーム]ではまるで別物。どちらもデフォルトでは画面が多すぎて使いづらいったらありゃしない。iOSはたった二つしかないぞ。こういう記事を時々書くこともあって、私は基本的にデフォルトの画面はそのまま使い続けるタイプなのだが、生理的に無理なのでさすがに整理した。ロック画面にChat OnとかおくんじゃNeeee!
  • 「UXに対して誰が責任持つのか」が一番気になるのが、こういうところ。 iOSの「iPhoneを探す」相当の機能であるが、Android では対応がばらけることになる。EVOでは を使っていたのだが、Galaxyでは
  • で同様のサービスを受けられる。ところがここ、認証のみHTTPSで、その後はHTTPなのだ。iCloudもLookoutもHTTPSのみなのに…
  • そして一番UIに対する熱意の違いを感じさせられたのが、よりにもよってナビ機能。たまたま昨晩は妹夫婦のベイビーシッターを我が家が担当していて、ついでに彼女らを送って行ったのだが、iOSのもてなしっぷりがすごい。
    どちらも立体表示かつ音声指示を出してくれるのだが、iOSはロック画面でも自分が今ナヴィゲイターであることを忘れない。しかもロックしている間は、交差点付近では目覚めて、しばらくするとまた寝てくれる。そしてナヴィゲーション中は、他のアプリを使っていても通知エリアに案内が表示され、タップすればナヴィ画面に戻る。一方そういう配慮はGalaxyの方にはなく、マップアプリを再起動ないしタスクマネージャーで再呼び出しして再検索せねばならなかった。
    助手席に座っていて使いやすいのは、圧倒的にiPhoneの方。ただし日本ではカーナビが普及している上、やはり羽田空港の大王製紙というのではいくらアプリがよくてもダメである。あと道中にGalaxyの方はLTE表示がずっと出っぱなしだったのは感嘆。しかしこれが米国だと話が違う。「カーナビ?iPhoneあるのに?」と言い切れてしまいそうだ。
  • それでもGalaxyのディスプレイは素晴らしい。大きすぎて「使う」のは難儀であるが「観る」のであればこれほど見応えするディスプレイは他にはない。
  • そのディスプレイが最も活きるのは、動画視聴。なのに三つの要素が足を引っ張る。一つはスピーカー。通話用と兼用なのだが、通話用のクォリティしかない。iPhoneは電話であるにも関わらず底部にもスピーカーがついていて、イヤフォンなしでもかなりいい、というか今までそれが当たり前だったのでスピーカーのしょぼさにはしょぼんとなってしまった。
  • しかしそれはまだイヤフォンでカヴァーできる(EarPodももちろん使えました。リモコン含めて!)。しかし音量ボタンが軽すぎる。軽すぎて横に立てて動画を観ようとするとそこを押してしまう羽目になる。かといって180度回転すると、今度は電源/ロックボタンが押されることになる。これでは枕元でねっころがって動画はきびしい。EVOのキックスタンドが懐かしい…
  • そして詰んだな、と思ったのは、ここ。
    ニコニコするにはFlash必須、だと? さらに追い打ちをかけるように、ニコニコ動画のiOSアプリ版は度重なる進化の末、素晴らしい出来に仕上がっている。Androidはアプリすらない…
  • そして「貴様それでもクワッドデュアルコア1.5 GHzかっ!?」と憤らざるを得なかったのが、ブラウザーのパフォーマンス。ベンチマークだとiPhone 5とは僅差のようだが、デフォルトの[ブラウザ]でiPhone 3GS並み、Chrome使ってやっとiPhone 4以上4S以下というのが実際に使ってみた感想だ。例えば のRGBカラーキューブのアニメーションでは、iPhone 5で45fps、iPhone 4Sで30fps行くのに対し、[ブラウザ]では15fpsを切り、Chromeで30fps行くか行かないかだった。ちなみに15fpsというのは、iPhone 3GSの数字である。
  • 余談だがiMac 27-inch Mid 2011では、200fps近く行く。Safariはどうやら120fpsに天井を設けているらしく、MacBook Airでもほぼ同じ数字がでた。
  • あと意外かつ当然だったのが、充電時間が長いということ。iPadなみかもしれない

結局一言でまとめると、「素材は素晴らしいのに、シェフが下手でそれを活かせていない」という、EVOの時とほぼ同じ感想が出て来てしまう。とてもじゃないが、iPhoneを味わってしまった人に勧められるものではないし、一台持ちの人にはさらに進め難い。それでもEVOよりはずっと使い物になるし(Chromeが動くようになっただけで救われた)、テザリングでぶらさげるのがMac/PCではなくiOSやAndroidやe-Book Readersであれば、UPnPがどうのとかいう気難しい注文もなさそうだし、巨大端末にふさわしい巨大電池のおかげでかなりいける。ただしテザリングはシステムアップデートしてから。さもないと私のように電池を取り外すはめになるかも知れない。

ボタンの位置や軽さなどどうしようもない部分はあるが、不満のほとんどはソフトウェア由来。4.1へのアップデートでどこまで改善されるか、今から楽しみだ。

Dan the Man with Too Many Mobile Gadgets