例年通り献本御礼。
もはや新iPhoneが国際的国民的行事になっているのと同じぐらい国民的行事となった感のある本シリーズなので、紹介だけでいいかなと思っていたけど一言だけ。
分ける必要、あったんですか?
本書「iPhone 5 Perfect Manual」は、「iPhone 3G Perfect Manual」以来恒例となった、i* Perfect Manualの最新版、なのだけど今回は二冊出ている。AU版とSoftbank版。確かに今回は製品番号レベルで両社のiPhone 5は別なのだけど、本書までそうする必要があったのだろうか。
確かにテザリングの有無やプロファイルのインストールの方法など、両者に違いはあるけど、率直にいって差分は1/10以下。それぞれ一章ないしAppendixを設ければ事足りたはず。
むしろiPhoneの魅力は、ハードウェアもキャリアーも乗り越えて使い続ける時に最高に発揮される。私のiPhone 5はAU版なのだけど、元の設定はSoftbank版のiPhone 4Sから引き継いだ、というか4Sは立派に現役なので「フォーク」したもの。フォークした後Softbankに固有なSMS等の設定をAU用に再設定しただけ。キャリア固有のメッセージングやメールアドレスがなければ、実はそれすら不要…
これがAndroidだとそうも行かない。gmailにひも付けされた情報は継承されるけど、アプリなどは完全断絶状態。そもそもChromeは古いEVOではインストールすら出来ない。だからどうしても一台一代限りの「使い捨て」。それでもガラケーの頃、「携帯辛苦」、失礼「携帯シンク」とかと比べたらずっと楽ではあるけれど、新旧機種、それもキャリアをまたいだ移行の容易さでは、「携帯シンク」とAndroidに匹敵する差がAndroidとiOSに横たわっている。
余談ではあるが、Android 4.0になっても「戻る」ボタンを右のまま据え置いたGalaxy S IIIは過去のGalaxyユーザーに配慮したつもりだろうか。だとしたらとんでもない身の程知らずだ。Nexus 7のおかげで私の指は早くも迷子になりつつあるのに。少なくとも私は使い捨てになるのを覚悟して入手している。Android Devicesはむしろ「鮮度」で勝負すべきではないか。
話を本書に戻す。
キャリア別に分冊するというのは、そのiPhoneの魅力を伝え損ねることになりはしないか?
私としては、共通UIごとに合冊する方をお勧めしたいのだが、そういえばiPod Touchも別冊だったっけ。そう。iPod Touchからの移行はおろか、iPod Touchへの移行も同じぐらい楽なのだ。折角iPhoneを持っているけど、懐事情が悪くなったのでダウングレードしてでも何とか使いたいという需要だってもう無視できなくぐらいあると私は見ている。もはやこの国においても、iPhoneは最も普及した端末でもあるのだ。iPhoneはそんな後ろ向きな、しかし切実な要望にも見事に答えてくれる。なにしろiOS 6は3GSでも動くのだ。
とはいえ、内容の必要充分度は折り紙付き。なにしろもう5代目だ。わずかではあるが、税抜きで100円ほど安くなっている点も好感がもてる。はじめてiPhoneを手にする人も、iPhoneに再入門したい人も、ぜひ。
Dan the iOS User Before iPhone 3G (iPod Touch 1st gen, that is)
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