こんなのやっぱりおかしいよ…
…Windows Storeの名にかけて。
最初に断っておくと、
本エントリでは、下記については言及していません。
- Boot Camp/VMware Fusion併用、またはVMware Fusionのみ使用した環境において、
ライセンス認証処理自体が正常に実行されるかどうか
に関しては VMWare Fusion のみの環境でつつがなく完了した。もう「俺のWindowsがこんなに大人しいわけがない」ってぐらい。
しかし問題はそこではない。
問題は、Windowsのライセンスが、コンピューターごとになされていることそれ自身にある。
もしこれがユーザーごとのライセンスであったら問題にすらならない。
そしてそういうライセンスに、iOSとAndroidを通して我々はすっかり慣れてしまった。マルチデバイスの時代にデバイスごとにライセンスを買い直すというパソコンの常識は、同一コンテンツは一度買えばあらゆるデバイスで使えて当たり前だという、デバイスの常識に置き換えられつつある。
以下はiTunesのコンテンツに関するサービス規約。
iTUNES STORE - サービス規約お客様は、最大10個の関連デバイス上に、本アカウントから適格コンテンツの自動ダウンロードまたは購入済み適格コンテンツのダウンロードをすることができます。ただし、アイチューンズが認めたコンピュータについては最大5つまでです。
意外なことにデバイスの数量制限がまだ残っているが、それでも10というのはなかなか達成できない数字で、「デバイス数の限界を超えました」のようなエラーメッセージに私はまだお目にかかったことがない。「コンピューター」の方は何度かあるが、今や母艦をほぼ必要としなくなったiOSにとっては時代遅れの感もある。
余談ではあるが、Kindleにもこのデバイス数制限が存在することを「Steve Jobs」を通して知った。コンテンツによって異なるそうだがどうやら同書は5つまでだそうな。
Mac App Storeではこの数量制限が撤廃されている。
iTUNES STORE - サービス規約(ii) お客様が営利企業または教育機関の場合、 (a) お客様が所有または管理し、当該個人が使用する1つまたは複数のMacコンピュータ上で、特定の1個人が使用するため、または(b)複数人が、お客様が所有または管理する1つの共有Macコンピュータ上で使用するために、Mac App Store商品をダウンロードおよび同期することができます。
そして OS X Lion 以降の OS X は、それ自体が Mac App Store 経由で配布されている。おかげで家族全員のMacを私のApple ID一つで Mountain Lion までアップグレードできている。
それでは、 Windows Store はどうか。
こうなっている。
Windows Store 使用条件Windows ストアから入手できるアプリはすべて、販売されるのではなく、お客様にライセンス供与されます。ほとんどの場合、このライセンスには、最大 5 台の Windows 8 対応デバイスに同時にアプリをインストールして使用する権利が含まれています。5 台を超えるデバイスに同じアプリをインストールしようとすると、同時にアクティブ化されるインスタンスが 5 つを超えないように、いずれかのデバイスでアプリが自動的に非アクティブ化されます。
アプリにはマルチデバイスを認めておきながら、OS本体にそれを認めないのはダブルスタンダードとしかいいようがないのではないか。しかも Windows 8 は、Chrome OSのように「クラウドID」で「サインイン」して使うのが標準となったOSである。新たなOSに新たなEULAを導入する絶好のチャンスだったのに、残念なことである。
確かに一見不利に見える。しかしWindowsのライセンスのほとんどが新PCの「内税」か企業のヴォリュームライセンスであることを考えれば、個々人からきちんと課金できるユーザー毎のライセンスの方がトータルの売上も増えるし、新OSへの移行も早くなる分旧OSのメンテナンスに割くコストも減少するのではないか。
iOS6は、マップという瑕疵があったにも関わらずわずか一月でインストール数は二億を超えた。無料だということを考慮しても恐るべき数字である。Windows 8はPCとタブレットという二正面作戦をあえて選んだOSである以上、「クラウドID」の使い勝手がライバルより劣っていては勝てる戦いまで落としてしまうのではないか。タブレットでの反抗どころか本丸のPCまで陥とされてしまっては元も子もEULAもないのだが…
Dan, too Lazy a Man to Read Every Single Word of EULA
本を読むのにログインが求められるのだ。
我々は本を買うのではなく、一時的に読む権利をもらうだけ。
所有者となる方法をリッピング違法化、違法ダウンロード刑罰化が奪い去った。
著作権保有者が真に与える事を望まない限りは。