ニュースというには時間がたってますが、風邪のリハビリも兼ねて…ぐぬぬ。キーボード叩くと節々が痛い。iPadで書きはじめるべきだったか…
アップル、「Mac」搭載チップのインテル製から自社製への切り替えを模索か - CNET JapanAppleは7年前、同社デスクトップおよびノートブック製品のチップをIntel製に切り替えた。現在、Bloombergの報道が示唆するところによると、Appleが「iPhone」と「iPad」に採用している「チップ技術のあるバージョン」を同社製品群の中でも「Mac」に移植する方法を調査しているという。
これ、以前からちょくちょく出る噂だけど、私はその逆になる方が可能性が高いと考えてる。
つまり、MacがARM化されるのではなく、iOSデバイスがIntel化される可能性。
あるいはそこまで行かなくても、Intelが"A"プロセッサーのファウンドリになる可能性。
Macはすでに主力商品ではない
MacがPowerPCからIntelに切り替わった時、同社の社名にはまだ"Computer"が付いていた。すでにiPodが世界を席巻していたけど、収益の柱は相変わらずMac。iBook G5を作れないことが明らかになっていた以上、あのタイミングで同社が切り替えに成功していなかったら、iPhoneどころではなかっただろう。
それから7年。同社の社名からは"Computer"が取れ、Macは台数のみならず収益においても主力商品ではなくなっている。
わずか一年で、日本の人口に匹敵するiPhone。英国の人口に匹敵するiPad。3500万台のiPodのうちどこまでがiPod Touchなのかはわからないのだけど、iPhoneとiPadのみでもiOS:Macは台数比で10:1を超えているし、収益比でも5:1といったところ。2005年とはまるで切迫感が違う。
高は低を兼ねる
それでMacが売れていない、それもCPUのせいでというのであればさておき、そのMacもよく売れている。年率15%というのはブームと呼んでもいいぐらいだ。iOSデバイスのそれが「爆発」なので目立たないけど、IT系のカンファレンスではもうMacが過半数を占めている。
今Macを買っているのはどんな人たちかがそこに如実に現れている。彼らにとって、いや私もユーザーなので我々にとってMacは持ち歩けるUnixワークステーションであり、iOSアプリやWebサイト開発の現場であり、商売道具なのだ。AirやPro抜きのMacBookがなくなってしまったのもむべなるかな
要するに、"arMac" は Mac App Store で配布されるアプリを実行できるだけではダメなのだ。Mac App Storeで配布されていないAdobe CSやMicrosoft Officeはもちろんのこと、MacPortsやHomebrewも動かないと。特に大きいのは、VMWare FusionやParallelsやOracle VM VirtualBoxといった仮想化ソフト。MacはWindowsやLinuxをも兼ねて「一人前」なのだ。
MacをARM化するには、ARMが64bit化されるぐらいではだめだろう。Windows RTがWindows 8並かそれ以上に普及した上で、AWSのインスタンスがARM化されるぐらいでないと。
Intel Phoneならすでにある
逆に考えてみるんだ。
iPhoneやiPadのiがintelのiになりえないのか、と。
実はこちらの方が、MacをARM化するより遥かに楽なのだ。前述の事情でMac App Storeにアプリの配布経路を統一できないMacに対し、iOSでは「脱獄」でもしない限りはじめからApp Storeしかないので、デベロッパにARM/intel両対応の Xcode を配ってアプリを再コンパイルしてそれをサブミットしてもらうだけでいい。Rosettaのようなギミックは一切不要。
しかもintel Phoneであれば、すでにあるのだ。
互換性の問題は、Androidの場合はアプリが主にJavaで書かれていることもあって問題にはなりにくいし(その代わりiOSとタメを張るのにずっと多くのメモリーとCPUが必要にはなるけど)、それ以上にそもそも断片化されているので何を今さら感さえある。
要はARMに出来ることを、ARMより上手かつ安価に出来ればよいのである。
i for intel
それでは intel にそれが出来るのかといえば、64bit ARM が Intel 64 の代わりになるよりは容易だと思う。なんといって intel には業界一のプロセス技術がある。他が32nmや28nmと言っている間に、Ivy Bridgeで22nmをトライゲートトランジスタで実現している。「これでAプロセッサーを作ってくれれば」と願掛けしたのは私だけではないだろう。実際IntelだってかつてはARMプロセッサーを作っていたのだし。
しかしIntelは「競合他社には早すぎる技術」を、高性能高価格のためにばかり使って来た。そりゃCore i7を一つ売ればA6を10個売るのより儲かるなら(それも利潤ベースではなく価格ベースで!)、なかなか本気になれないのも無理はない。
しかし売上でも利益も半分以下のQualcommに時価総額で抜かれるという現状を手をこまねいて見ているわけにはもっと行かない。
この現状で、AppleがIntelにモバイルプロセッサーを製造委託する以上の乾坤一擲はあるだろうか?
arMacよりはintelPadの方が、私はありゆると思うのだが…
Dan the Man with too Many Apple Products
欲しい性能のロードマップがあり、設計のひな形をIntelが提供してくれている現状から、主導権をIntelに渡す必要がどこにあるのでしょう?
by言力屋