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WEB+DB PRESS vol. 73

今月は、WEB+DB Press と Software Design が双方発売される月。

紹介はあえて WEB+DB PRESS の方から。今号のテーマは、「たのしい」でよさそうです。「たのしい開発実況中継」に「詳細Rails 4」…でも一番楽しかったのは、リレー連載の「Perl Hacker's Hub」。Acme大全の中の人が、Acme::なモジュールについて語っているのだから面白くないわけがない。プログラマーにとって遊びは他の職業にもまして不可欠なものだし、IOCCCを見ればわかるようにコードで遊ぶのはWebが誕生する以前からの伝統といってもよいのだけど、遊びに関してPerlコミュニティが頭一つ抜けていることは、公式なモジュールリポジトリに公式に砂場を用意していることからも伺えます。

そして Software Design 。三年に渡って巻頭言を飾ってきた「コードなエッセイ」も今回で最終回。こういうのも何ですが、今までで一番キツい連載でした。執筆を書いた文章を原稿料に転嫁する「ショーバイ」と見なせば、アフィリエイト収入が見込める無料のblog記事よりもよっぽど悪い(笑)。にもかかわらず毎回苦しみつつ楽しめたのは、やはりそれが遊びだったからでしょう。

勘違いしないで欲しいのは、ここでいう「遊び」は「手抜き」を全く意味しないこと。

常用字解 - 遊
斿は氏族霊の宿る旗をおし建てて出行することをいい、遊・游のもとの字である。旗には心霊が宿るので、心霊が「ゆく」こと、気ままに行動することを遊・遊行という
あそぶというのは、もと心霊があそぶこと、神が自由に行動するという意味であったが、のち人が興のおもむくままに行動して楽しむという意味で用いられるようになった

私にとって同連載は、そういう遊びでした。元々「遊」は神にのみ可能な行動だったそうで、それは神ならぬ身が行おうとすれば苦しくもなります。

こういう「遊」は、今後ますます Software Designers に求められるようになっていくでしょう。かつては「できればいいな」が「できて当然」になっていくのは進歩の証でもありますし。

私の連載はこれで完結しましたが、今後とも両誌ともよろしくお願いします。

Dan the Contributing Writer