最初に目に入った印象は、「ただの9.7インチiPad miniか?」だった。

最初に手を取った感触は、「ただの9.7インチiPad miniか!」だった。

そして[すべてのコンテンツと設定を消去]する前に改めてiPad (4th generation)を持とうとして気づいた。

先代、こんなに重かったんだ。

先代と当代の違いは、つまるところ軽さlightnessだけ。

それ以上の正しさrightnessは蛇足だとでも言わんがばかりに。

  • 実に珍しく早起きしてしまったのが運の尽き。発売当日に銀座の行列に並んだのは、実はこれがはじめて。
  • 入手したのはSiliver/WiFi/64GB。+Cellularするかは迷ったのだけど、来るべきiPad mini RetinaとのSIM互換性に一抹の不安があったのでWifiのみに。SoftBankとAUはこのあたりきちんと広報すれば、+Cellularが増えたかもしれないのに。
  • 容量を増やしたのは昨今「献アプリ」を受けるようになってきて、32GBが窮屈になってきたから。とはいえベースモデルの価格を高いとは少しも思わない私も、iOSデバイスのストレージはふっかけすぎだと思う。16GBと128GBの価格差30,000円は、MacのSSDならば256GBに相当する。にも関わらず行列中の一番人気は128GBというのが少し解せない。
  • それにしても軽い。先代より180g軽くなっているとのことだが、これはiPhoneはおろか鈍器クラスの重量級スマートフォンに匹敵する。
  • そして薄い。あの薄いiPhone 5/5sと同じのだ。
  • この軽さと薄さとiOS7のUIをあわせると、おもしろい錯覚が得られる。「iPadを太陽に透かしてみれば」、つまり日中に仰向けでiPadを頭上にかざしてSafariを使っていると、日の光がiPadを透けているように見えるのだ。
  • そして物理的以上に、動作が軽い。Apple A7の速さは、iPhone 5sだとあまり実感できない。スマートフォン対応が進んだ昨今の環境では、5どころか4sでも十分速く感じてしまうのだが、タブレット対応はそこまで進んでない。この点は特にWebページに顕著で、PC/Macのページをほぼそのままブラウズすることになるのだが、iPad AirのSafariは「モバイルデバイスにしては」という冠抜きで速くてスムーズだ。
  • これがAndroid Tabletsだと、性能的にはひけを取らないはずなのにスマートフォン扱いされてしまって折角のタブレットの大画面が台無しになってしまう。この点は去年からほとんど改善していない。
  • 軽くなったといえば、充電時間も短くなった。さすがにiPad miniには負けるのだが、先代の一番の泣き所がこれであったことを考えると一番の改善点はこれかも知れない。

この一年、7.9インチでLTEがついたiPad miniとiPad (4th generation)を併用してきたのだが、「どこにも持って行く」という点では前者の圧勝でも、使用時間という点では後者が勝っていたかも知れない。「ピロートップ」としては9.7インチの方が目にやさしかったからかも知れない。特に仰向けでiPadを頭上にかざすスタイルだと、7.9インチでは近眼の私は眼鏡をかけないときびしいのでどうしても横臥してしまうのだが、9.7インチなら頭上かざしでもぎりぎり焦点が合う。「むすんでひらいて」な四本指ゼスチャーも、やはり画面が大きい方が圧倒的にやりやすい。

私にとって当代のiPad Airの「よくなった感」は、MacBook Air Late 2010の登場に匹敵する。歴代iPadの中ではiPad2登場以来の名器であり、今年入手したApple製品の中で一番気に入った。まだiPad mini retinaが残っているが、先代miniの時のように驚くことはないだろう。ゴミ箱?二代前のiMac 27-inchで間に合ってるし…

しかし、やっていることは、「ただひたすらに軽く」だけなのだ。それでいいしそれがよい。あるべき姿がはっきりしているのであれば、「自分探し」の手間暇など不要なのだから。

Dan the Owner Thereof