iPad Airを店頭買いした当日(2013.11.01)の夜にGoogle Playで注文して届いたのが昨日(11.05)。
実に意外なことに、私はNexus 7 (2013)より気に入った。
多分それは、携帯電話としてはほとんど期待していなかったからかも知れない。
- 携帯電話としての評価は、The Vergeの評価に同意する。
「高級感はないものの、それ以上に安っぽくない」という点はNexus 7同様。しかしIMEIが透明シールで張ってあるのは旧Nexus 7以上に許し難い。電話としてはこの時点で失格ではないか。- カメラはしょぼいし(フォーカスしなさすぎ)、5インチというのはポケットへのおさまりがとても悪い。私のiPhoneの「ホームポジション」はジーンズの左前のポケットなのだけど、ここに入れるには幅がありすぎるし、シャツの胸ポケットだとひょっこり頭がはみ出る。日本におけるSIMフリー端末の継子扱いを含め、一台持ちのスマートフォンとして薦められるものではない。
- とはいえ一応電話である。先代相当の Nexus 4 とは異なり、今度はLTEにも対応している。今回は Galaxy S3とともに契約した Xiデータプランにねん をそのまま援用した。その方が格安SIMを買うより私には安上がりだったので。とはいえSIMを差し替えただけではだめで、SPモードをmopera Uに変更する必要があった。月々の差額は210円だが、LTEもつかめるしテザリングも問題なしで、もちろん旧端末でもそのまま使える。
- 電話として見た場合、通知画面も一歩後退。以前はWifiのオンオフなどはそこから直にできたが、新OSではさらにもう1タップ必要になってしまった。iOS 7がコントロールセンターを別に設けた今は、よけい気になる。
- ところが、"Pockettablet"として見ると、評価は180度とまではいかないが135度ぐらい変わる。
- 画面はとても綺麗で、Galaxy S3をはじめとするAMOLEDの「ぎらつき」もない。屋外ではこれは明るさという点でプラスなのだけど、「落ち着いて見る」には結構マイナス。
- とはいえ、1080pというのは行き過ぎだとも感じる。Nexus 7の時には「iPadがRetinaになった時ほどの劇的な違いはないなあ」であったけれど、それでも改善は一目でわかる。しかしGalaxy S3(720p)からNexus 5(1080p)への変遷は「よく見ればわかる」程度。正直1080p化は「iPhoneよりも高い解像度に」というヤケクソ感の方を強く感じる。「低スペック端末でも快適に」という Android 4.4 のスローガンを考えれば、720pを究める方が Nexus という商品コンセプトには合致したのではないか。
- とはいえ、これまた「ポケッタブレット」としてみた場合には評価が135度変わる。Tech系のサイトのトップページにChromeで[PC用のサイトで見る]した時の美麗さときたら! 左がNexus 5、右がiPhone 5s。 Nexus 7では「タブレットなのにと」うんざりしながら[PC用のサイトで見る]していたのが、こちらは「スマフォなのに見えるぞ、見えるぞ」とばかり楽しくてしょうがない。表示に限ればGalaxy S3の720pでも十分綺麗なのだが、しかし現状Android 4.1のままのGalaxy S3のChromeにはそもそも[PC用のサイトで見る]メニュー自体がないので各サイトのPC版への切り替えリンクをさがさねばならず、わざわざそうする気はおきない(iPhoneもここは同様)。
- とはいえNexus 5購入に至った理由の一つに、SamsungとDOCOMOからのアプリアップデートがうざい上、条中、失礼、常駐アプリのクラッシュがさらにうざいということもあったので、Nexus 7のようなすっきりとした初期画面もまた、「ポケッタブレット」としてのNexus 5の価値を高めている。
- Galaxy S3の名誉のためにいっておくと、先代Nexus 7のようにOSアップデートのたびに重くなるという子泣きじじい現象とは無縁だった。この点は評価したい。
- ロックボタンもNexus 7よりずっと押しやすい。音量ボタンが左についていることもあいまって、ダントツで最もスクリーンショットを撮りやすいAndroidデバイスだ。
- しかしSIMスロットの位置がそのロックボタンの直下というのは首をかしげる。そのSIMスロットもiPhoneのように辞書のページ一枚入らぬという工作精度でなくて、価格なりの精度なのだからなおさら。使っているうちに垢とかたまりそう。
- そうそう。Nexus -- に限らずAndroidデバイスでも、やっと Find My iPhone 相当のサービスが実装された。しかしその名前がAndroid Device Managerっていうのはいかがなものか。iCloudの場合、Find My iPhone では改めて認証するのに対し、こちらはGoogleにサインインしていると問答無用で表示されるのもいかがなものか

そんなわけで、「(iOS使いだけど)一台だけAndroidデバイスも」という人には、Nexus 7よりもむしろこちらを薦めたい。SIMを刺さなくとも「Googleサービスビューワー」としては使い出があるし、SIMフリーを活かしていざという時のモバイルルーターとしても使える点は+12,000円/$100の価値はあるのではないか。LTE付き 32GB の Nexus 7 とであれば価格差は0だし。
とはいえ、Googleのスローガンに対する信頼度は、Appleのそれよりも元々低い上、先代Nexus 7の子泣き爺化でむしろ私にとっては悪化している。「低スペック端末でも快適に」というのであればさらに720pでさらに$100安い端末をNexus 5として出した上でフラッグシップ(Nexus 5s?)は別に出すべきではなかったか。Galaxy NexusにもKitKatを出すべきだというのは言うまでもなく。
「スマートフォンはスマートフォンらしく、タブレットはタブレットらしく、パソコンはパソコンらしく」というAppleの主張はユーザーにわかりやすいし、同時に商売として良手だ。Nexusというブランドに一番足りないのは、わかりやすさなのかも知れない。堀江貴文も認めたではないか。「正しいだけではダメ」だと。
Dan the Owner Thereof


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