来た、見るまでもなく、買った。
- 「見るまでも」なくな理由は、私がすでに先代iPad miniを一年使いつづけた上で、 iPad Airを使いはじめたから。
- iPad miniの筐体に、iPad Airの性能。これで外れなわけがない。
- Airは「当たるとうれしい」製品だったが、mini Retinaは「外れると悲しい」製品で、嬉しい以上に安心した。私にとってiPadはもはや「あれば嬉しい」製品ではなく、「ないと困る」製品なのだから。
行列 vs. 予約
- どれだけ稀少かはわからないが、予約さえ入れられればこっちのもの。
キャリアの指定まではなかったなう pic.twitter.com/3wdubEeuWq
— Dan Kogai (@dankogai) November 13, 2013 - とはいえ、06:00の予約開始後3分でこうなってたが。
Cellular全滅>< pic.twitter.com/qjawGjZVuE
— Dan Kogai (@dankogai) November 13, 2013
現状は iPad mini with Retina display のみのようだが、早く他の商品も出来るようにして欲しい。特にiPhone。
姉 vs. 妹
- 不思議なことにmini Retinaよりも姉Airの方が軽く感じる。
- 面積あたりの重量が低いからだろうか。以下、戯れに g/cm2を諸元から算出してみた。g/cm3でない点に注意。
iPad Air 1.15 g/cm2 iPad mini Retina Display 1.23 g/cm2 Nexus 7 (2013) 1.27 g/cm2 Nexus 5 1.36 g/cm2 iPhone 5s 1.54 g/cm2 - むしろmini Retinaの手応えは、iPhone 4/4sのような快い重量感がある。ブラック改めスペースグレイも、チタニウムっぽさもあってそれを助長している。
- とはいえ、カタログ上では0.3m増えたはずの厚みと23g増えたはずの重量差は、手に持っただけではわからなかった。
- 性能面でも、最高クロック数がAirの1.4GHzに対しmini Retinaの1.3GHzはわずかに遅く、ベンチマークテストではそれが反映されていたようだが、実際の使用における速度差は全く感じられない。先代のiPad姉妹は「学力」において大学生と小学生ぐらいの違いがあったのだが、当代は双方とも成人した感じだ。
- その意味で惜しいのが、充電器、先代はiPhoneと同じ5Wだったのが、当代はiPad 2と同じ10Wに。どうせなら「新しい」iPad(3代目)以降の12Wで統一して欲しかった。電池容量から鑑みて姉Airに妹の充電器を差しても充電できるはずだが、やはり紛らわしい。
- miniとAirの一番の違いは、miniの方は身につけられること。私は下の画像のようにして持ち歩いている。
- この持ち方、カバンなしでもジャケットの大きなポケットがなくても持ち歩ける上、ポケット内のスマフォを取り出すより速く取り出せるという点で激オススメなのだが、あまり見かけないのはなぜだろう…
Wi-fi vs. + Cellular
- 手ぶらでも持ち歩く以上、やはりオススメは+Cellularということになる。が、これまでは費用面で誰にでも薦めるのは難しかった。私は先代を37,905円全額一括で購入した上で、SoftBankで毎月2,928円で運用してきたのだが、仮に24ヶ月運用したとすると、通信代は諸費用抜きで70,272円、本体の倍である。
- ところがこれからは、スマートフォンの契約がすでにあれば月々の費用が 1,050円+315円 = 1,315円 になる。それくらいauの「先取り!データシェアキャンペーン」の一択感は高い。
- SoftBankの「タブレットセット割」も、月々1,315円、天井が7GB/月が来年6月に2GB/月になるという点は同じなのだが、スマートフォンと通信料が合算出来ない点が異なる。
- 実際のところ、SoftBankも来年6月までには同契約をデータシェア化「やりましょう」となるのではないかと私見しているが、現状で確約がなされていない以上、ここはauが一歩リード。
- 実際+CellularなiPad miniを使いはじめると、パケット使用量はiPad miniの方が大きくなる。私の場合 iPhone : iPad mini はコンスタントに 1:2 ぐらいで、7GBでは余裕でも2GBでは窮屈。合計で9GBというのは、むちゃ安心感がある。
- …とはいえ、監視は怠れない。先月末にLTE化を果たした長女のiPhone、いつの魔にこんなことに。あぶないあぶない。iOS7になってからアプリごとにモバイルデータ通信の可否を決められるようになったので、ニコ中な中坊のniconicoはモバイルデータ通信をオフに。
- 通信量監視に関しては、Android 4.Xの方が優れている。iPhoneの[設定]→[モバイルデータ通信]はこれまでの通信量が数値で見えるだけで、月ごとに集計してくれもしないしグラフで見える化してくれるわけでもない。通信量監視のアプリはいくつか出ていて、私はDataWizというアプリを入れているけど、取りこぼしがないわけではないし、Android 4.X程度の機能は標準で用意すべきだろう。
その他大勢 vs. iPad
404 Blog Not Found:一触瞭然 - 品評 - iPad miniこれは、iPadの小型版ではない。iPadの新基準だ。この7.9インチを iPad mini というより、「姉」の9.7インチを iPad classic と呼ぶべきともいうべき、新基準なのだ。
その新基準は、これで Retina Display と 64bitプロセッサー A7 になった。目に毒であると同時に、手に毒でもある。
しかしむしろ驚くべきなのは、先代が値下げされてもなお当代Nexus 7より高いにも関わらず売れており、そしてより使い物になることだろう。iPadはNexus 7もKindle Fireも兼ねるが、その逆は真とはならないという状況は、今もほとんど変わっていない。
iPhoneもiPadも、高価格で高品質だ。それでは「他と比べて高いか」と言われると、他があるようでないのだ。「片手で使えるスマートフォン」という地位にはiPhoneしかいないし、「縦でも横でも使える縦横無尽なタブレット」という地位にはiPadしかいない。直接勝負を挑んだ製品は、ほぼ駆逐されてしまった。「スマホ」は巨大化することで、「タブレット」は小型化することでiOSデバイスとの競合を避けている。
しかしそれは、それぞれの存在意義そのものを捨ててしまうことでもある。5インチスマフォはもはや携帯電話とはいえないほど大きいし、7インチタブレットに縦横無尽さはほとんどない。別の存在意義を見出したといえばそれはそうだけれども、それは捨てた存在意義に見合ったものだろうか?
404 Blog Not Found:An Inch that Makes Me Itch - 品評 - Nexus 7 (2013)登場以来、毎年代替わりしているとはいえ、タブレットにかぎらずモバイルデバイスは「消費」するものではなく「使用」するものである。そうである以上、費用対効果は、「いくら」だけではなく、それを「どれだけ使うか」で割ってはじめて判明する
その意味において、本製品において最も重要なのは、Retina Displayでもなく、A7プロセッサーでもなく、それがiPadであるということ。すでにコンセプトがはっきりし、そしてその正しさが実証されている以上、「よくなる」ことは許されても、「別物になる」ことはもはや許されないのだから。
その「正しさ」とは、製品ではない。その製品とともに歩んできた、ユーザーの体験である。それを否定することは、製品ではなくユーザーの人生を否定することにすらなりかねない。スマフォからパソコンまで、パーソナルコンピューティングデバイスというのは今や体験の器であり、その器が空である現代人はまずいない。ある以上、その中身を新しい器に遺漏なく移せること、最も基本的な「保証」ではないか。
iOSデバイスほど、それがきちんと保証された製品はない。初期設定でiCloudから復元するだけで、今までの体験はブラウザのタブに至るまでついさっきまで使っていたのと同じように戻る。
そして、旧い器はきれいさっぱり空になり、ひとに譲ったらそれはその人の器になるということも。iOSデバイスを空にするのに必要なのは[設定]→[リセット]→[すべてのコンテンツと設定を消去]とするだけ。あとはiCloudのパスワードを入れれば、旧デバイスはきれいに更地となり、新オーナーのものとなる。
先代Surface RTがそうなっていないのは、ゆえにかなりのショックだった。
リカバリーメディアを作成しなければ、譲渡することもままならないとは!
「器ではなくクラウドのキャッシュ」であるNexusはこの点ではだいぶましである。が、旧製品を使い捨てにすることには向いていても、旧製品も使い続ける場合には不適格だ。たとえばこんな風に。
緩募:Androidでデバイスに固有名をつける方法。こういう時に困るよね pic.twitter.com/hTAH30lVON
— Dan Kogai (@dankogai) November 3, 2013
体験の器となるには、Androidは使い捨てすぎるし、Windows 8は移行の敷居が高すぎるのだ。
iPad mini with Retina Displayは、その意味において、たとえそれがあなたに合わなかったとして薦められる。別の器にする際に中身が失われる心配とは無用だし、譲って欲しい人はいくらでもいる。
しかしこれ以上多くの人の多くの用途に合致するタブレットが、他にあるのだろうか?
少なくとも、私には見当たらない。
Dan the User Thereof
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