我が家のコードレス電話機がほとんど寿命を迎えていたので、渡りに船とばかり入手。
本機VE-GDW03DLの売りは、単純にして明快。
VE-GDW03DL | 電話機 | Panasonicお手持ちのスマートフォンにスマートフォンアプリ「スマートフォン コネクト for GDW03」をインストールし、親機を無線LAN環境に接続すれば、スマートフォン※2を家の電話(VE-GDW03DL)の子機として使えます
つまり本品の出来は、Android版と iOS版 スマートフォンアプリの出来まで含めてはじめて評価できるということである。
使い勝手は期待通り
アプリの使い勝手は、悪くない。ところどころで半角カタカナを使っているなどあか抜けないといえばあか抜けないが、発着信はもちろん、留守番電話設定/解除など、コードレス固定電話子機に期待していることはほぼ全部出来る。出来ないのは、子機アプリどおしの転送ぐらい(通常子機⇔スマフォは可能)。使い勝手に関しては、本システムは期待通りだったと言える。
問題点
二つ半ほどある。
Wifi混雑時の音質劣化
一つは2.4GHz Wifiのみの対応で、そしてこのWifiが混雑している場合の音質低下。
まず、2.4GHzに親機と子機アプリをインストールしたiPhone 4のみの場合。
その状態で、2.4GHzでおもむろにMacBook Airでファイル転送をはじめた場合。
聞いてわかるとおり、後者では明らかに音質が劣化してしまっている。
幸いにして、我が家では主たる端末は、すべて5GHzへの移行を完了しているので、この問題は事実上ありえない。
余談だが、子機専用機として余剰のiPhone 4に第二の人生を歩ませるにあたってiOS 7へアップデートする際にこのことに気づいた。iPhone 4は5GHz Wifiに未対応で、これをダウンロードしている間にたまたま通話実験をしていたのだ。
アプリの待ち受け時消費電力
そしてもう一つが、電力消費。
これが、2.X時代のAndroid Phonesを思い出さずにはいられないほど大きい。
まずiPhone 5sの方を見てみよう。[使用時間]と[起動時間]、この二つが一致することは通常の使用ではありえない。たいてい [使用時間] < [起動時間] となるはずなのに、ロック状態でもスリープしていないのだ。
次にNexus 5。見ての通り、まる一日持たせるのは難しい。
Nexus 5をもう少し詳しく見てみる。
[スリープなし]に注目。ほとんど真っ青である。そうでない部分というのは、外出していたりわざとWifiを切ったりしたりで、親機に接続していない時間帯である。
Panasonicの名誉のために言っておくと、消費電力が大きいのは親機と接続して待ち受けになっている状態のときのみで、電池の持ちが気になる外出中などはほとんど食わない。Wifi接続時にESS-IDを見て、これが登録された親機と一致するときのみアプリは親機と接続を試みて、接続しない場合はきちんと寝てくれる。
とはいえ、たとえばIP電話アプリの場合、たとえばSMARTalkはアプリ常駐を必要とせず、通知からオンデマンドで起動することを鑑みれば、周回おくれに感じるのは否めない。
Android の対応は 4以降
本機の子機として利用したスマフォは、二種類あるのではないか。
一つはメインのスマフォ。現代のデジタルハブ。「手機」はこれ一台で全部すませたい。
その場合、「ふつうの人は」あまり問題ないのではないか。電力浪費もアウェイではないし、ホームであれば充電器は手元。就寝時に充電器にかける習慣のある人であれば、今日日のスマフォであればiPhoneもデカスマも一日はいけるはず。見てのとおりNexus 5はちょっとヤバイが、本アプリ抜きでもNexus 5のバッテリーの持ちはいまいち。
そしてもう一つが、型落ちのスマフォの子機化。4以降のAndroid Phonesはまだ二年未満。これを再利用できないのは痛い人も少なくないのではないか。Google Playの残念評価レビューほとんどそこに集中している。
ちなみにiPhoneは4以降であれば全部OK。前述のとおり我が家ではiPhone 4をこれにあてた。4Sもあるのだが、下取り価格が本機を上回るとあってはちょっと申し訳ない気持ちになったので。住所録のみ妻と同期、App Storeからインストールしたのは「スマートフォン コネクト for GDW03」のみ、Find My iPhone有効という状態でフル充電24時間後のバッテリー残量は52%。丸二日は厳しいが、丸一日ぐらいなら問題ない。
もっともこのiPhone 4、SIMを抜いた状態なら2週間ぐらい持つのだが…
SIM抜いたiPhone4バッテリーもちすぎワラタ。これでも通知全てオンで、Photo Streamもオン http://t.co/Jomczb6Q
— Dan Kogai (@dankogai) December 6, 2011
しがらみが切れないならつないじゃえばいいじゃない!?
もし私が妻子も取引先もない白紙状態だったとしたら、とうの昔に固定回線は解約していただろう。実際本機をTwitterのTLで偶然発見しなければ、今年中に解約してしまうことも考慮に入れていた。今や発信は携帯電話の方が安かったりもするし、スマフォならデータのみ回線でもIP電話アプリで着信もOKだし、正直固定電話でなければ困る理由が見当たらない。
しかし今の私には、妻子も取引先もどちらもあって、そのどちらも固定回線が最後の着信先になっている。固定回線というしがらみを切るには、「立ち退き料」を払わなければならず、これがなかなかおっくうなのだ。
ならば、「手机」につないでしまえというのも乙なものではないか。
その意味で、アプリの「初物感」は作り手の立場としては同情するけど、そもそも固定回線を使いつづけている人が固定回線に期待するのは「枯れている」ことであることを考えると、現ヴァージョンはちょっと青すぎだと感じた。次のハードウェアには有線LANもつけるべきだし(本機よりも安いApple TVにすら付いている)、5GHz Wifiにも対応してしてほしい。そしてソフトウェアは、SMARTalkみたいに通知型にして、消費電力をもっと落としてほしい。
家電をスマフォというデジタルハブにつなげるためのデバイス化するという、同社の方向は間違っていない。がんばって。
Dan the User Thereof
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