うちにも届いたので。
「8インチWindowsタブレットいつ買うの?」今でしょ!
「これさえあれば、何もいらない」?そんなわけないでしょ!
本機「Miix 2 8」は、Windows 8.1 32bit版が入ったWindows 8.1タブレット。
Windows RTではなく、ふつうの32-bit版Windowsなので、
iTunesをインストールすれば、iOSデバイスの母艦にもなっちゃうし…
tightvncをインストールすれば、VNCで画面共有もできちゃう。
ただし Pro が付かない Windows 8 なので、Windows Remote Desktop は使えない。なんでこういういらん差別化するかなMicrosoft。
つまり、ProでないSurfaceと違って、つぶしが効く。嫡子でなかったWindows RTはWindowsの遺産をもらえないけど、こちらは100%受け継いでいるわけだ。実子以上にMicrosoftはSurfaceをかわいがってはいるけれど、どちらがFuture Proofかといえば、断然こちらの方。
しかしそれは、Windowsの負の遺産も受け継いでいるということでもある。
たとえば、ストレージ容量。
32GB版なら在庫がある理由 pic.twitter.com/DFAz3hHs2M
— Dan Kogai (@dankogai) December 9, 2013
32GB搭載の Miix 2 8 の空き容量は、16GB 搭載の iPad や Nexus 7 のそれを下回るのだ。だから64GB搭載版ばかり売れているのだが、 iOS や Android と「同じ土俵」に立つのに四倍のストレージを要するというのはメーカーにとってはずいぶんと重いコンダラではないか。
そしてOS。前述の通り、本機に搭載されているのは32bit版。本機のCPU自体はIntel 64に対応しているというのに。「それで困らない」?もちろん今は。だけど将来でるのが確実であろう、この大きさで 64bit OS を(要|擁)する新機種への引っ越す際にはどうするのだろう?
iPadの場合、話は簡単だ。新機の初期設定で[iCloudから復元]を選ぶだけだ。アプリはおろか、ブラウザーのタブまで旧機の環境が復元する。Webやアプリ固有のパスワードのみはこの場合復元しないのであるが、それとてiTunesで暗号化つきでバックアップすればきれいに復元できる。
Androidの場合はそうは行かないが、それでも旧機にインストールしてあったアプリのインストールまではしてくれる。各アプリに属するローカルデータはすっとぶけれど。そもそもAndroidの場合、機器やOSごとの違いが大きすぎて「復元」自体あまりしようという気が起きない。それゆえ「使い捨て」で、使い捨てであるがゆえに大事なことをそこでするのは避けようとしてしまうし、それゆえ「いつの魔に使わなくなって」しまうのではあるけれども。
Windows 8の場合も、Storeアプリに限ればそこまでしてくれる。それどころか[Skydrive]の同期設定をオンにしておけば、Start画面のタイルの並びまで同期してくれる。しかし本機はWindows PCでもあるのだ。Desktopアプリはそうは行かない。
Windowsにおける引っ越しは本当に頭の痛い問題で Windows XP がゾンビ化している最大の理由でもあるのだけど、そんなところに「Windows 8.1 パソコンお引越しガイド」を献本いただいた。この場を借り御礼。「サードパーティーの商品を使え」ではなく、あくまでもWindows標準の機能でどうやるかをケース別に紹介しながらも、Adobe製品やiTunesといったメイジャーどころの対策まで盛り込んだ一押しの本なのだけど、同書でさえ「はじめに」でこう言っている。
使い勝手がよくなったのはよいのですが、お引っ越しという観点からは「面倒になった」としか言いようがないのが正直なところです。
そんなこともあって、私は常日頃「Windowsは仮想環境に限る」とのたまっているのだけど、同書でも仮想化は言及すべきではなかったのだろうか。そこが同書に関する一番の不満でもあった。
Skydrive がこの目的で使えるようになっていないのは残念としかいいようがない。いくら Surface 買えば200Gくれると言われて、この点では無料でたった 5GB しかくれない iCloud の足元にも及ばない。ちなみに私はiPhone二台、iPad二台(Airとmini Retina)をバックアップしているが、全部あわせても2GBに満たない。
本機も iOS や Android のように、外付けメディアなしで「工場出荷時に戻す」ことは出来る。が、これも「今までのPCの流儀」で実現している。10GBほどのリカバリーパーティションが隠してあって、そこからインストールしなおすのだが、リストアした後は当然のように Windows Update も最初からやり直し。Mac のように Net Restoreできないのは、メーカーの怠慢ではないか?
あいもかわらず、と嘆息したのは、付属の Office とおまけのWindowsストアギフトカード5000円の扱い。あの25桁のコードを手で入力させるのだ。初期設定が終わるやいなや、iLifeが[購入済み]になっているiOSデバイスとのなんという落差だろう。
結局のところ、本機は Netbook なのだ。キーボードとトラックパッドを下半分ごととっぱらって、タッチスクリーンがついた。
だがそれがいい。
ただし、すでに iPad も Nexus 7 も持っている私にとっては。
Netbookとしてみなせば、がらくたキーボードが付いていないのはむしろ福音だとも言えるし、冷却ファンがついていないのは至福とさえいえる。しかもかつてのNetbookとちがって、1080p動画も問題なく再生できるし(しかもH.264なmp4だけでなくてWMVも)、縦長画面が使えるどころかメインだけあってネットサーフィンも快適だ。実に遊べる。
しかしこれが「タブレットのあるべき姿」というには、ハードウェアもソフトウェアもあまりに周回遅れだ。液晶はきれいだといってもRetinaでないiPad miniや去年のNexus 7 (2012)レベルだし、タッチ精度は両者に明らかに劣る。にも関わらず選択したテキストをコピペするには、選択部分をもう一度タップしなければならないというのは苦行以外の何物でもない。iOSもAndroidも選択した時点でメニューが出るし、iOSに至っては選択時に虫眼鏡まで出してくれるというのに。
そして何より、ストアアプリの周回遅れ感が半端ない。「Windows 8のために作り込まれました」というものがほとんど見当たらず、「iOSアプリとAndroidアプリを作った後、片手間で作りました」というものばかりで、その8.1自体、いまだ設定の多くがデスクトップのコントロールパネルでないとできないなど、「最悪でもPC」であることに逃げている。
iPadが美女だとしたら、Windows 8 Tabletsは女装しただけのおっさんで、8.1でやっとすね毛はそったけれど、髭のそり後が青々としているというのが率直な感想だ。男の娘レベルになるのはいつのことやら…
というわけで5000円分何を買おうかちょっと途方にくれている。「これぞ」というオススメがある方は、@dankogaiまでご一報を。
Dan the Owner Thereof
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